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講座12いしかり歴史大百科Ⅱ「そして、石狩湾新港は生まれた」

第2回「そして、石狩湾新港は生まれた」

2010/10/22

 10月20日(水)講座12<いしかり学コース>いしかり歴史大百科Ⅱの第2回「そ1222.JPGして、石狩湾新港は生まれた」が総合保健福祉センターりんくるで行われました。この第2回目は石狩市企画経済部企業誘致室との共催講座で、講師は、長年新港の問題に取り組んで来られた田岡石狩市長、受講者は83名でした。

 田岡市長は最初に、昭和48年1月の石狩湾新港建設の起工式が、これほどの大きなプロジェクトにも関わらず、工事関係者のみで行われたことが、この港の複雑な位置づけを象徴しているのですと話されました。

 さらに、港が第一歩を踏み出す証である、第一船入港も簡単にはいかなかったようです。昭和57年の「ブランカ・レーニア号」入港までには、積み荷の受け入れ先の問題、未整備の海図、入港日の不確定さなど様々な障害を乗り越えなければならなかったのだそうです。

1221.JPG 石狩湾新港は、このように複雑な事情が絡んだ不安定さの中でスタートしたのですが、建設が始まってからも、様々な困難があったようです。

 例えば、昭和58年10月の中央埠頭工事着手の際は、まだ埋め立ても出来ていない埠頭地への企業誘致は困難を極めたとのこと。

 昭和63年完成した中央埠頭1工区でも、苫小牧港との競合があり、原価の安い石狩プランで対抗してやっとLPG基地としてスタートしたのだそうです。しかし、現在は、北海道初の大型LNG(天然ガス)輸入基地を建設中とのこと。

 また、新港建設中の出来事として、昭和56年8月、洪水被害を回避するため、石狩放水路の緊急通水が行われた時は、工事関係者の強い反対を議会等の後押しでなんとか説得して通水が行われ、洪水被害が避けられたこと。その際のエピソードとして、泥流がたまったおかげで、翌年泥を好むシャコの漁獲量が増えたのだそうです。

 このように新港建設の流れを話されたあと、振り返って、新港建設の夢と現実について話されました。

1223.JPG まず、当初計画では、入荷量は1030万トンでしたが、現在40万トンというのが現実であること。これは、新港について、経済ベースではなく政治ベースで考えてきた結果であり、具体的には、フェリーを入れることができないことがネックとなっているようです。

 今後は、受け入れ計画を660万トンに見直し、コンテナ輸送時代を迎える動きに対応していきたいとのこと。

 また、西埠頭は、平成18年に多目的国際ターミナルの核となれる水深14m岸壁が供用開始されていて、チップヤードとして利用されているそうです。

 次に、新港の後背地について話をされましたが、総面積3,000ha、操業企業数約600社/操業人口14,000人の国内有数の企業集積があるとのこと。

 現在、営業用冷凍冷蔵倉庫では、約21万トンの全道一の庫腹量があり道内有数の食糧基地を目指しているそうです。

 また、土地利用計画の環境対策でも、遮断緑地の先行造成を行って環境維持に配慮し、域内には初期から産業廃棄工場や下水処理場を設置していたため、これまで、環境問題は起きていないそうです。

1225.JPGのサムネール画像 ここまで、新港建設から現状までを、田岡市長が一通り話をされた後、最近の話題として、データセンターの誘致に成功した経緯について、企業誘致室の富木課長が話をされました。

 国内大手IT関連会社「さくらインターネット㈱」による郊外型データセンターが平成23年秋完成を予定されているとのこと。

 これは、冷涼な気候による低温外気と雪の利用による大幅な空調電力削減、広い面積と安価な土地によるコスト削減、札幌市からのアクセスの容易さ、地震など災害リスクの低さ、2ヶ所の変電所による安定した電力供給、複数通信ルートの確保など石狩の利点が認められた結果だそうです。

 このような利点から、石狩での郊外型データセンターは、従来の都市型のものと比べて約2分の1のコストとなり、世界標準まで下げる事が出来るのだそうです。

 データセンターの紹介の後は、もう一度、田岡市長が、これからの新港地域について話をされました。

 現在、石狩市の収入のうち新港地域の企業からの税収が60%を占めるまでになった。今後の新港地域は、天然ガスや太陽光、風力等を利用した環境にやさしいエコタウンを目指し、石狩データセンターバレーやスマートグリッド(電力の需要・供給を最適化する次世代送電網構想)なども構想されているようです。さらに、水産部門やレジャー面への取り組みも行っていきたいが、これから他の港と競争していくためには、後背地域企業の協調と機能向上が必要だ、と結ばれました。

 田岡市長の石狩湾新港にかける熱い思いがひしひしと伝わってくる講演でした。

 これに対して、受講者からもたくさんのコメントが寄せられましたが、その一部をご紹介すると

「田岡市長の石狩湾新港に対する思い入れと関わりの中からの話題が多くとても興味をもって聞くことができました。データセンター等の建設も含め、今後の石狩湾新港地域の発展がかぎりなく重要に成ってくることが分かり石狩市民として将来に夢と希望がもてる」

「石狩湾新港が大変苦労して着工し、様々な試練をクリアして、今データセンター基地に光明を得たことを知り、大変心強く思います。今後小樽を説得してフェリーも入港出来るようにして下さい」

「新港が出来るまでに、そしてその後も命がけでたずさわってこられた田岡市長《とても良く解りました》出来あがった港が当たり前のように思っていましたが、並々ならぬ努力と節々で大きな決断を強いられたであろう事を思い、石狩を愛しその発展の為に尽くしてこられた事に深い感銘を受けました」

「新港の建設振興に直接携わった田岡市長の苦労話をもう少し聞きたかった。未だ発展半ばで、広大な空き地が目立つ新港地域の発展振興に今後も頑張って取り組んでいただきたい」

「昭和52年に石狩の住民となって以来、新港の発展はいつも気になるニュースでした。大切な土地を手放した農民たちのためにも是非有意義な港として発展してほしいものです」

 等など、田岡市長の新港への思いに、皆さん大変感銘を受けられたようです。

 また

「新港による漁業又は海岸への影響等についての説明を聞きたかった」

「今日の資料をもっと簡単に分かりやすくして、市民の目にふれる事が多くなれば(新港に対して)もっと理解が広まると思います」

 などのご意見もありました。


 




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