講座14《芸術・文化コース》杉浦篤子さんと美術を楽しむ『アートって何?』
2010/10/05
10月5日(火)講座14《芸術・文化コース》杉浦篤子さんと美術を楽しむ『アートって何?』の第1回「世界の五大美術館と札幌ステラプレイス」~美術を楽しむ~が市民図書館視聴覚室で行われました。
講師の杉浦篤子さんは、石狩にある藤女子大学人間生活学部保育学科の教授で、絵本学会理事、日本保育学会員、日本美術教育学会員です。
今回の題目は「五大美術館と札幌ステラプレイス」・・・世界の美術館とステラプレイスがどう結び付くのでしょうか?興味をそそられます。
杉浦さんは冒頭、日頃学生とばかり話をしているので、このように一般の成人の方とお話したかったのです、と受講生を和ませました。
そして、人間の顔に似た自然石の写真を回覧されて、自然のものに自分のイメージを重ねることができるのは、人間だけの能力なのです、と話されました。
それから、世界の五大美術館(ルーブル、オルセー、ウフィツイー、プラド、メトロポリタン)や、その他の世界の美術館、道内や札幌にある美術館を紹介されました。
次に、アートは、このような美術館ばかりでなく身近にもあるという例として、札幌駅ホールにある安田侃(かん)作「妙夢」をあげられました。また、ステラプレイスの駐車場やトイレにもアートがあるそうです。なるほど、ステラプレイスは、身近にアートがある例として挙げられたのだと納得したのでした。
安野光雅作「旅の絵本」も紹介され「知ることは楽しみであり、知らないと見えないが知ると見えてくるもの(歴史・土地など)があり、知ると仲間になれ平和につながる」と話されました。
後半は、ルーブル美術館で行われている、子供が彫刻と親しむための活動や安田侃のビデオが上映されました。
ルーブルの活動でも、安田侃の美唄市・アルテピアッツア美術館でも、子供たちが彫刻の姿の真似をしたり、触って親しんでいる様子がよく現されていて、美術が難しいものではないことが良く分かりました。特に、彫刻と戯れる子供たちが大人になった時に何を想うか・・・アルテビアッツア美術館を未来へのトンネルと捉え「言葉ではなく、目で見て触って感じる、一番洗練された伝達方法として世界中に通じ、言葉を越えられる彫刻を目指す」という安田侃の言葉は印象的でした。
最後に、美術教育の大切さにも触れて、90分の講義は終了しました。お話を聞いて、すぐにでも、ステラプレイスに出かけて、どんなアートがあるのか、確かめてみたくなりました。
受講生からも
「よりいっそう美術を楽しみたいと思いました。作品の見かたが変わりそうです」
「五大美術館は無理でも、身近なところの美術を見に行きたくなりました。美術が身近に感じられました」
「『知ることで見えてくるものがある』いい言葉です。自然物であれ人工物であれ、すべてがアートであると感じる事が出来た。今後、アートの楽しみ方が広がるような気がします」
「今までにこのようなお話とか講座を受けたことがなかったので楽しく聞くことが出来ました」
「アートはほど遠いものと思っていましたがむずかしいものではないと云うこと、美術館に行っても一寸場違いな雰囲気を味わっていましたが、今日のお話で目からうろこです。食わず嫌いが多かったかもと思いました」
等などのコメントが寄せられ、さらに、道内の美術館を紹介・説明する講座を望む声もありました。
杉浦さんのお話を聞いて、アートがぐっと身近に感じられるようになった方が多かったようです。