講座5 もっと知りたい国々シリーズⅡ『中国~姉妹都市四川省彭州市を中心に』
2011/07/25
講座5「もっと知りたい国々シリーズⅡ」『中国~姉妹都市四川省彭州市を中心に』の第2回「中国人から見た日本 / 日本人から見た中国」が平成23年7月23日(土)午前10:30~12:00、石狩市花川北コミュニティセンターで開催されました。今回は2部構成で行われ、第1部は「中国人から見た日本 / 日本人から見た中国」と題して座談会が行われました。第2部は「中国茶サロン」と称して中国茶の紹介と試飲および太極拳実演披露がありました。
第1部座談会の話題提供および司会進行の方々は以下の通りです。
1.石山徹郎さん:1980年代、中国人留学生の生活支援をきっかけに中国人との交流が始まり、ご自身も中国語を習得されて中国との関わりは現在に至っておられます。(石狩市在住)
2.高橋清香さん:北京に1年間留学。帰国後中国語の通訳・翻訳業務に携わり、現在も中国友人との交流を続けておられます。(石狩市在住)
3.金宝シン(キン ホウシン )さん:中国遼寧省在住,71歳。同省の刑務官として勤務し定年退職。金娜さんの父親です。先月妻の劉秀華(リュウ シュウカ)さんとご夫婦で来日し札幌滞在中。
4.金娜(キン ナ)さん:中国遼寧省出身。2001年結婚を機に来日以降日本、中国双方を拠点に生活されている。日本および中国企業の勤務経験を経て、現在石狩国際交流協会事務局の職員として勤務しておられます。
5.伊藤朱美さん:司会進行役を担当された。NPO法人 石狩国際交流協会事務局勤務。
第2部の中国茶紹介・試飲案内は金娜さんが担当され、太極拳実演は金娜さんの母親劉秀華さんが披露されました。
石山徹郎さん:中国の家庭では夫婦子供に限らず、家族はお互いにフルネーム(姓と名)で呼び合います。
金娜さん:その通りです。どこの家庭でも家族は互いにフルネームで呼び合います。
高橋清香さん:中国のマンションは部屋の間仕切りはなく、家具調度品等ももちろんなく、その部屋の空間だけを購入するという感じなのです。
金娜さん:中国のマンションは日本のように内部造作されておりません。単なるコンクリートの床と壁と天井だけがあるという状態で売られています。その後購入者がその希望と予算などに合わせて別個に内部造作を業者に依頼します。その使用権は70年間と決められており、その後は返還することになりますが、土地は国家のものです。
金宝シンさん:初めての海外旅行(来日)ですが、日本のサービスはとても良いと感じました。日本人は礼儀が正しく挨拶も丁寧で優しいです。スーパーで買い物をした時にレジの前で皆さんが整列をして順番を待っているのに感心しました。また、街の中がどこへ行っても本当にきれいで美しいです。そして、各家や学校、役所の建物などの周りに塀(壁)がないのに驚きました。さらに、約1月間当地に滞在していますが、一度も車のクラクションを聞いたことがありません。道路を走る車がクラクションを鳴らさないことに驚き、街がとても静かで快適です。
金娜さん:中国では学校、役所などの公共施設はもちろん各家庭の家には必ず塀を回してあることが常識なのです。それは侵入者などからの被害を防ぐ目的のものですが、特に役所など公共施設では背丈の何倍もの高さの塀が必ず回してあります。また、車のクラクションですが、中国では車がクラクションを鳴らして走ることが当たり前になっています。運転者が車に乗ると、まず片手でハンドルを握り、もう一方の片手はクラクションの上に添えていつでも警笛を鳴らせる体勢で運転をすることが常識になっており、例えば3車線道路は5車線走行が当たり前になっているというのが現状です。
石山徹郎さん:男女同権という意識があり、男性も買い物や料理などを日常行います。したがって、男性も料理が上手なのです。その料理には驚くほど油を使いますから、一般家庭でも油は一斗缶で購入しています。
高橋清香さん:中国で友達などと会食するとテーブルいっぱいの料理が並び「お腹がいっぱいです」と断っても多くの食事を進めてくれます。これが歓待の印と分かっていても苦痛に感じることもあります。
金娜さん:確かに歓待の印としてたくさんの料理を出すことが慣習としてあります。また、中国には日本のような「割り勘」の習慣がありませんので、誰かが率先して申し出てその会計を済ませます。申し出た人はそれが名誉のことと感じていて、それに対して周りの仲間もそれを素直に受け入れる習慣があります。男女が会食に同席した場合、その食事代は必ず男性が支払う習慣もあります。
金宝シンさん:中国では酒宴で「乾杯」と言うと、お酒の量、濃さ等に関係なく、必ずそのお酒は一気に飲み干すことが習慣となっています。
金娜さん:中国の酒宴でお酒を勧められた時は皆さん十分気を付けて下さいね。中国には50度,60度の強いお酒がたくさんありますから。
高橋清香さん:中国家庭では親が教育熱心で、子供も小さいときから良く勉強をします。
石山徹郎さん:本当に中国の生徒学生は熱心に勉強をしますね。そして、子供は親思いです。
金娜さん:子供は親の期待に応えて一生懸命勉強します。親・家族を大事にする感情が強いですね。中国では親子・家族が一緒の家に住むことが常識なのです。日本で親と子供が同じ街に住んでいながら別々に別居して暮らしていることがありますが、とても不思議な感じがします。
高橋清香さん:中国ではお年寄りの方が家に閉じこもることなく、多くの高齢者の方が最寄りの公園などに三々五々集まって、歓談したり、囲碁を楽しんだり、お茶を楽しんだりと、家に閉じこもることなく互いに交流している姿は微笑ましく非常に良いことだなと感じました。
第2部「中国茶サロン」:中国茶紹介・試飲および太極拳実演披露
中国茶には「緑茶(不発酵)」「白茶(微発酵)」「青茶(半発酵)」「紅茶(完全発酵)」「黄茶(弱発酵)」「黒茶(後発酵)」「花茶(菊茶など)」など多くの種類があります。
金娜さんの中国茶の紹介後、グループごとに数種の中国茶を味わいながら歓談、そして劉秀華さんの太極拳実演で「中国サロン」の雰囲気もピークとなり、和気あいあいの中終了予定時間を超えで閉講となりました。