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講座7 ≪プロフェッサーコース≫ 支笏火山の活動史

第2回「支笏火山の活動と火山噴出物、その性情と分布」―附:支笏湖ものがたり―

2011/08/30

 8月27日講座7『支笏火山の活動史』の第2回「支笏火山の活動と火山噴出物、その性状と分布」を花川北コミュニティセンターで行いました。講師は、前回に引き続き北海道地質調査業協会技術アドバイザーの若松幹男さんでした。
 講義の前半は、「支笏湖ものがたり2」として、支笏湖と周りの火山の歴史について話されました。支笏湖は、その周りに北海道の人口の半分ちかくの250万人が住んでいながら自然が残されているという貴重な所とのことです。支笏火山は4万年前に大噴火し、その後3万年前に風不死岳(ふっぶしだけ)、2万年前に恵庭岳、そして9千年前に樽前山が噴火するという歴史をたどっており、この風不死岳、恵庭岳、樽前山は支笏火山の「後カルデラ火山」というのだそうです。これらの説明を頭に入れ次の支笏湖の話に入りました。
kou.jpg 支笏湖は、北海道では、屈斜路湖に次ぐ大きさのカルデラ湖であり、一番北にある不凍湖とのことです。二番目は洞爺湖。しかし、全面凍結の記録が過去にあったとのことでした。
 支笏湖ができたのは、4万年前に大噴火がありそこに窪みができ水がたまったのが原型だそうです。この湖の水があふれて千歳川ができ、魚が遡上するようになったようです。支笏湖から流れ出る川はこれ一本とのことです。言葉の意味ですが、火口とはクレータといい、火山が噴火した後にできる穴で噴火口というようです。カルデラは直径1km以上の火口のことで、ここに水がたまったものをカルデラ湖というとのことです。ちなみにカルデラとは、スペイン語で鍋という意味だそうです。
 支笏湖の火山ですが、風不死岳の噴火は3万年前から2万年前、恵庭岳が2万年前から2千年前の噴火で、この噴火直後に伏流水が堰き止められオコタンペ湖ができたとのことです。樽前山は9千年前に噴火し2千年前から休止したが、1667年にまた噴火し明治42年(1909年)には溶岩ドームができたとのことです。
 後半の「支笏湖ものがたり3」では、支笏湖にまつわる物語です。苔の洞門は樽前山の噴火により流れ出た溶岩が水に浸食され、その割れ目に苔が生えてできた峡谷で、それまで誰でも入ることができたのに、平成13年に落石により進入禁止となったとのことです。しかし、観光資源として人気があり平成21年からはガイドが付いて公募による人を対象にツアーが行われているようです。

koke.jpg 鉱山も幾つかあったとのことで、なかでも千歳鉱山は1936年から1986年まで、金や銀の採掘を行っていたとのことです。この頃は、小学校ができるくらいの村ががあったとのことです。王子製紙の発電所も5つあり、なかでも明治43年の千歳第一発電所は当時、日本最大級の水力発電所であったとのことです。
 また、樹木では樽前山の噴出物により埋もれ炭化木になったり、根が下にあるほかに1m50くらい上の所にも根がある2重根やモーラップの沢には下に根がたくさんのびた不定根なども見られるとのことでした。

sumi.jpg 最後に3回目の実際の支笏湖視察のコースや見所の紹介があり、講義が終わりました。
 参加者の皆さんは、普段なかなか見聞きできない支笏湖の話に満足したようで、感想文でも、
・くわしい火山のお話で新しい知識が得られました。第3回目の見学が楽しみです。
・支笏湖や周辺の山の成り立ちが良くわかり、おもしろかった。
・支笏湖火山群や自分達が住んでいる大地の成り立ちがよく分かって面白かった。
・資料の映像がとてもわかりやすくよかったです。
などがよせられました。

 




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