まちの先生企画講座3 「アメイジング・グレイスを尺八で!」
2011/11/02
10月29日、まちの先生企画講座3「アメイジング・グレイスを尺八で」の第1回「尺八の歴史と基礎」が公民館で開講されました。参加者は14名でした。
講師は、都山流尺八楽会大師範の須貝颯山さんです。颯山さんは、1974年から本格的に尺八を始め1997年には公益財団法人都山流尺八楽会大師範になられ、老人クラブでの懐メロ、教会でクリスマスソング・賛美歌等幅広く演奏活動を行っています。また、尺八の楽しさを体験して欲しいと、札幌ちえりあでの講座も行っています。このような活動の一環として、今回いしかり市民カレッジでのまちの先生企画講座での講習となりました。
颯山さんは、最初に尺八の歴史や構造について話されました。
尺八の流派は、江戸時代の黒澤古琴によって創始された琴古流と明治初期に中尾都山によって創始された都山流が二大流派とのことです。尺八ですが、一般には真竹の根に近い部分でつくられ、自然のものを使うため全く同じというものはないのだそうです。長さは、一尺八寸(約54センチ)が基準で、これが名称(尺八)になっているとのこと。真竹で創られたものは高価なため、最近では木を削って作ったり、プラスチックや塩ビ管でも作るようです。今回の講座では、颯山さんが作った塩ビ管を使います。しかし、本物と同じ一尺八寸の長さで、手(て)穴(あな)(指で塞ぐ孔、指孔(ゆびあな)ともいう)は、前面に四つ、裏面に一つあります。
さていよいよ尺八を手にとっての練習です。最初に、持ち方と構え方です。尺八を支えるのは、右手の中指と親指と下唇の3点です。1・2孔の真ん中に右手中指、その裏側に親指を当て、唇の下の窪みに尺八を当て45度くらいになるように構えます。他の指は、1孔に右手薬指、2孔に人差し指、3孔に左手薬指、4孔に人差し指、裏面の5孔には親指を当てます。
「サアー吹いてみましょう」と颯山さんの声。そう簡単に音が出るわけがない。颯山さんは、「決して吹こうとしてはいけません。」「静に息を出すのです。」「フッ、フッ、では駄目です。フッーーと長く吹くのです。」と注意しながら、受講者を見て廻ります。最初は、孔をを塞がず尺八を軽く持ち息を出します。教室のあちこちで、ピー、ボーと鳴る人、音無でフー、スーの人。ピッ、ポッと鳴ったら次は、基本のハの位置で長く吹く。吹くときの最初は、必ずこの長音を鳴らすとのこと。尺八が暖まり良い音がでるとのことでした。
最後に颯山さんが、尺八は縦笛やリコーダにない音をだせると、いろんな音色を吹いてくれました。よく言われる「首振り3年、ころ8年」の首振りやコロコロの音色も見せてくれました。
ここまでは、今回の4回の講座、6時間ではできるわけがない。講座の主題のアメイジング・グレイスを尺八で吹けるようになるためには、講座以外での自宅練習が必要とのこと。そのために、毎週の講座ではなく1週空けた日程になっている、と話されました。今回の自宅での練習課題は、ハの音を長く出せるようにすることです。既にできている人もおりましたが、フー、スーと音のでない人もおり、それぞれ練習課題を頭に入れて、1回目の講座を終了しました。