まちの先生企画講座3 「アメイジング・グレイスを尺八で」
2011/11/13
11月12日、まちの先生企画講座3「アメイジング・グレイスを尺八で」の第2回"低音・高音・半音の運指法"が公民館で行われました。講師は、都山流尺八楽会大師範の須貝颯山さんで、参加者は12名でした。
前回、颯山さんから「2週間あるのでハの音を長く吹く練習をしてきて下さい。」と宿題が出されていました。そのためか、何名かが早く教室に来て颯山さんの指導を受けている様子もありました。
颯山さんは最初に、正しい手孔の当て方、唇の当て方を示して吹いてくれました。「ボーッ」と尺八独特のきれいな音が教室に響きます。
尺八は、もちろん受講生と同じ塩ビ管の尺八です。颯山さんは、「これは皆さんと同じものです。もし自分の塩ビ管がおかしいと言う人は言って下さい。私が吹いてみますよ。消毒用の綿も持ってきましたよ。」と話しましたが、誰も手を挙げません。みんな自分の吹き方が悪いと自覚しています。
しかし、多くの受講生はなかなか安定した音が出ません。そこで颯山さんは、受講生一人一人の間をまわり吹き方のチェックと指導に当たりました。颯山さんは、唇の当て方や指の押さえ方なども細かくチェックしながら正しく吹けるように指導してまわりました。
上手く音のでない人は.唇の当て方が悪いようで、尺八に唇を当てたときは良いのですが、息を吹くと上唇の形が変わってしまい、上手く音が出ないとのことでした。颯山さんは、鏡を見て確認して下さいとのことでした。
このように2まわりもすると、何とか吹けるようになりました。手孔を空けたり閉めたりすると「ボン、ボン」と音がする、正しい押さえ方ができているとのこと。唇を変えないで尺八の先を徐々に下げていくと必ず音の出る位置がある。ここが、スイートスポットとのことでした。このことを確認しながら練習をすると良いとのことでした。
この日は、ここまでに約1時間近くを要したためか、本日の講習の課題である"低音・高音・半音の運指法"の練習は難しくなり、颯山さんが自ら吹いて、指の使い方、低音・高音の吹き方などを見せてくれました。
同じ連続音でも、アゴを引いて音を下げたり、アゴを突き出して音を上げたりすることができるとのこと。さらに、手孔のふさぎ方でも音が変わります。手孔の上で押さえている指の先を斜めに1/5程度少し上げた状態で半音下げるとのこと。この状態を「かざす」といいメリ音と呼ぶとのこと。逆にアゴを突き出すと半音高い音程となり、カリ音のこと。
颯山さんは、これらの技法を駆使しながら「アメイジング・グレイス」、「きよしこの夜」他、色々演奏してくれました。受講生の皆さん、ただ聞き惚れる。
さて、今週の宿題ですが、「アメイジング・グレイス」の最初の八小節を吹いて、ロ、ツ、レ、チ、ハの運指法を練習してくることになりました。受講生は、連続音が上手く出ないのにできるのかなと首をかしげつつ、2回目の講座を終了しました。