講座17 『ミルクから食と健康を考える』
2012/02/09
2月1日(水)花川北コミュニティセンターで、主催講座17「ミルクから食と健康を考える」の第1回講座「食べ物と栄養」が開催されました。講師は北海道大学名誉教授の仁木良哉先生です。先生は北海道大学で長年「畜産食品化学」の研究教育に携わってこられました。当日の受講参加者はカレッジ生24名、一般生9名(市内6名、市外3名)計33名でした。
本講座はミルクをキーワードとして「食べ物とは?食べ物と健康」そして「牛乳は優れた食べ物」といった観点から2回シリーズの講義を行います。
以下に、第1回「食べ物と栄養」の講義内容の概要を報告いたします。
人体は60兆個の細胞から成り立っており、その細胞は常に新陳代謝を繰り返しつつ新しい細胞に入れ替わっています。そして、その新陳代謝の中心的役割を担っているのが「食べ物」です。
基礎代謝量とは生きて行くために必要な必要最低限のエネルギーであり、また種々の活動に使われるエネルギーが活動エネルギーです。この2つのエネルギーを合わせたものが消費エネルギーとなりますが、私たちはこの消費エネルギーを食べ物から摂取しています。消費エネルギーと摂取エネルギーとの関係から痩せ型、標準型や肥満型といった体格が生まれてきます。それらの体格を知る手段としてBMI(体格指数)という表し方があります。
私たちは食べ物からエネルギーだけを摂っているのではなく、体に必ず必要な栄養素も併せて摂っています。その栄養素は具体的に「糖質」「脂質」「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」の5つに分類されており、これを5大栄養素と呼んでいます。
糖質は炭水化物とも呼ばれていて大切なエネルギー源の一つです。糖質1グラム当たり4キロカロリー(4kcal/g)のエネルギーを生みだしますが、最近、小腸で分解されない糖、たとえば食物繊維は血糖値抑制、高脂血症予防など効果があるとされています。
脂質のエネルギーは9kcal/gで効率の良いエネルギー源ですが、体脂肪やコレステロールなどで代表されるように肥満との関係が指摘される栄養素です。しかし、コレステロールはからだの機能維持には欠かせない重要なものなのです。
タンパク質は筋肉、臓器など体を構成する部位に重要な成分です。人体には10万ものタンパク質がありますが、それらのタンパク質はたった20種類のアミノ酸から作られているのです。この20種類のアミノ酸のうち8種類のアミノ酸は体内では合成されませんので食べ物から摂取する必要がありますが、これを必須アミノ酸と呼んでいます。
ミネラルについては、人体の95%は酸素、炭素、水素、窒素の4元素が占めており、残りの5%をミネラル(無機質)が占めています。大切なミネラルはカルシウム、リン、カリウム、イオウ、ナトリウム、塩素、マグネシウムの7種で、これは食事を通して摂取する必要があります。
以上、講義は学術的内容が主体のものでしたが、最近種々宣伝販売されているサプリメントについての解説なども聞かせていただきました。この講義内容は次回の講義に生かされることでしょう。次回も充実した講座になることを期待しております。仁木先生、受講生の皆さま、ありがとうございました。
次回、「牛乳は優れた食べ物」2月22日(水)10:30~(北コミ)で、またお会いしましょう!