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講座7 《プロフェッサーコース》『石狩平野北部の地質と地震問題』

第1回「石狩市付近の地質と地震問題~札幌市の直下型地震想定作業結果から考える」

2012/08/08

 8月4日、主催講座7『石狩平野北部の地質と地震問題』の第1回「石狩市付近の地質と地震問題~札幌市の直下型地震想定作業結果から考える」が花川北コミュニティセンターで行われました。講師は、アースサイエンス株式会社常務取締役の岡孝雄さんで、参加者は50名でした。
 
 岡さんは、元北海道立地質研究所地域地質部長を務められており活断層の専門家で、札幌市の石狩平野地下構造調査の調査委員としても研究に携わってこられた方です。講義の前半は、地球の構造と地震・活断層について説明がありました。
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 地球は今から46億年前に生まれ、その歴史の中には、大気・海の形成、惑星衝突・月の分離、生命の誕生や大量絶滅など、さまざまな出来事があり人類の誕生となったわけですが、身体の状況を調べるのにエコーやCTスキャナーがあるように、地球の内部の調査が進んでくると表層のプレートの動きと別に、下部のマントルを主体とするゆっくりとした対流の動きも解ってきたとのことです。この地球表面のプレートの動きや下部のマントルの動きを理解していないと地震の問題も理解できないとのことです。
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 地震とは、地下の岩盤の急激な破壊やずれなどによって、振動が起こされる現象とのことで、地震の大きさを表すマグニチュードは、一つ大きくなると断層面の大きさは約9倍になるとのことです。また、断層には、水平方向に引っ張られる正断層、その逆に圧縮される逆断層、さらにこれにずれが加わった横ずれ断層の三つがあり、地震の現れ方も異なるとこことです。
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 北海道付近には、プレート境界型地震、海洋プレート直地震、内陸直下型地震など様々な地震のタイプがあるとのことですが、プレートの方は次回の講師の笠原さん述べられるとのことで、この日の岡さんは内陸直下型いわゆる活断層タイプについて話をされました。
 続いて、北海道がどのように形成され、どのような地形・地質の特徴を持つか話をされました。北海道の地形は、東北の延長部の特徴をもつ道南部、千島列島の延長部の特徴を持つ道東部、そしてサハリンに続く中軸部(道央)の三つの地形区分からなり、道東部、中軸部は、日本本土には無い特徴を持つとのことです。また、海もオホーツク海、日本海、太平洋の三つの海に囲まれているのが北海道の特徴とのことです。
 北海道はどのように形成されたのかについて、2億年前大陸は大きく2つの塊に分かれていたのが1億年かけてのプレートの動きから、1000万年前にいたるまでの動きについて、その時々の年代の特徴が現在の北海道の地質にどのように現れているか、スライドを示しながら話されました。
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 私たちの住む石狩市は、道南と道央(中軸)の境界にあたる石狩低地帯の北部―石狩平野北部―に位置するとのことです。石狩平野ですが、1000万年間の歴史があるとのことですす。石狩平野北部は石狩川の下流域でその南半は支流の豊平側の流域になるとのことです。そして、その地質の特徴について、石狩市(旧石狩市・厚田村)、石狩市北部(旧浜益村)、札幌北西部のそれぞれの地質構造、そして札幌カイギュウ化石(800万年前)や藻岩山の形成(250万年前)について話されました。
 さらに、岡さんが研究員として参加された札幌市の文部科学省地震関係基礎調査交付事業「石狩平野北部地下構造調査」で行った平成14年度の豊平川測線、15年度屯田~東米里測線、16年度厚別川測線の調査や、他のところで行ったボーリングや石油探査の調査による地層の状況について話されました。岡さんは、このように何万年前からの地質の変化、地殻変動などを調査することにより、地震の問題を調べられると研究しているとのことです。
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 最後に石狩市の地震問題ついて話されました。札幌付近では直下型地震のモデルとして、従来北西~南東方面の断層を想定していたが、600万年~200万年前頃の火山活動からはその証拠が今のところ見られず、札幌付近の直下型地震を発生させる断層としては南北の方向が想定できるとのことです。また、液状化の証拠は、札幌付近で500年前後に1回の割合で液状化をもたらす震度6以上の大きな地震の発生があったのではないかといわれているとのことです。
更に、直下型地震では微小地震と地温の変化も考慮する必要があるのではないかと考えられるとのことでした。

 以上、活断層を考える場合、表面的にあるのだけを見るのではなく、もっと地下全体を3次元的に10㎞くらいまで含めて考えていかないと、何を問題にしているのか分からなくなるのではないかと、話を結ばれました。

 今回の講義で岡さんは、80枚のスライドを用意され、大陸のプレートの動きから地層の断面図まで専門的なことを分かりやすく説明され、あっという間の1時間半でした。




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