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講座10 『藤村久和さんと学ぶ「文献読み取りによる北海道開拓」~村山家文書の解読をとおして蝦夷地開拓を学ぶ』

第1回 「古文書解読の基礎と読みやすい文書の解読」

2012/10/30

 10月25日(木)講座10『藤村久和さんと学ぶ~文献読み取りによる北海道開拓~』の第1回「古文書解読の基礎と読みやすい文書の解読」を行いました。講師は北海学園大学名誉教授の藤村久和さん、受講者は40名でした。
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 講師の藤村先生は、古文書を目にして「何か書いてある」と認識した時にはそれを読み取るよう努力する必要があるのではないかと最初に話されました。
「古文書の鍵を開けていく」という気持ちが重要だろうとの話しです。
さらに、古文書を解読する時の心構えとして、「日本人が書いたものであるから必ず読めるはずだ」と考えて取り組むこと、「1行に何文字書かれているか」をまず考えてから解読を始めること、さらに「最初読めない文字でも一度判読できれば次は容易に読めるようになる」などのことをあげられました。

 最初に、読みやすい文書の例として村山家文書である<古文書1>を使い、<解答紙1>に各行何文字書かれているか、さらに判読できる文字はその漢字を記入し、判読できない文字は空白にするなどの練習から始まりました。
各自練習に取り組んだ後に講師から解読結果について説明があり、最後に全員で声を出して文書を読み上げました。
ちなみに、3行目は3文字で「もの也」と読み、最初の文字は「毛」が「も」に変化したとの説明がありました。
文書の印についても説明があり、これは隅丸角印で印の左は[廣]、右は「道」で「廣道」という名前の印であるとのことでした。
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 次に、少し難しい<古文書2>についても解読の練習を行いました。
1行目は6文字で「賣渡申證文事」、送り仮名をつけると「売り渡シ申シ證文ノ事」と読む。
2行目は6文字で「一 蝦夷船 壱艘」、4行目は15文字で「右代金百九拾両相定唯今不残慥ニ」となり、送り仮名や返り点などもつけると「右代金百九拾両ト相定メ唯今残ラズ慥ニ(たしかに)」と読む。13行目は證文(証文)の宛先である「村山傳兵衛 殿」である。
古文書の解読練習だけではなく内容についても説明がありました。例えば、蝦夷船一艘の代金が190両と比較的高い値段で取引されていることから、この船は板綴船の渡海船で、長い板を横に張り重ねて作っているのであろう、3行目に「長板を相添えて」と書かれているのは補習用の長い板も添えて売り渡したのであろうとの説明がありました。
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 他にいくつか用意されていた古文書については各自家に帰って練習して下さいとのことで講座は終了しました。
最後に各古文書を解読した結果の解答もいただきました。

 受講者の皆さんは小学生か中学生にもどったような気持ちで、大変楽しく学んでいました。あっという間の90分でした。




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