10月11日(土)、講座11『石狩の子育てを考える~子育て支援ネットワークのひろがりとこれから~』を藤女子大学花川キャンパス273教室で行いました。この講座は、藤女子大学藤花祭の人間生活学部公開講座で、いしかり市民カレッジとの共催で行われました。受講者は20名。
講座は、シンポジュウム形式で行われました。コーディネーターは、木脇奈智子さん(藤女子大学人間生活学部保育学科教授)、シンポジストは、三浦ひとみさん(いしかり子育てネット会議議長・子育て支援ワーカーズぽけっとママ代表)と坂本伸子さん(石狩市浜益支所市民福祉課保健師)のお二人に子育て支援演習「おててつないで」を受講した藤女子大学生の大久保知歩さん、新井里保さんを加えた4人でした。
◇最初にシンポジスト4人の報告がありました。
1)坂本さん
浜益区の平成26年度の子供の数は、中学生32人、小学生44人、乳幼児19人。近年は、人口減少率がやや下げ止まりとなっていて、お母さんの半分が他区の出身者である。
母子保健事業は、母子手帳交付に始まり、妊婦訪問、新生児訪問、離乳食訪問などの訪問指導や検診・健康相談も行っている。また、保育園との協働事業も行っていて、保健師、保母の情報交換はお互いに大変役に立っている。今後は学校との協働活動も強めていきたい。
浜益の子育て支援は、支援事業と云うような構えた形ではなく、日常の中で、見守る、予測する、そして必要があれば声をかける、と云う形で行っている。そして、このような気持ちを地域のすべての人が持って欲しいと考えている。
2)三浦さん
・子育て支援ワーカーズぽけっとママ(2004年設立)
自分たちが子育て中に感じたり、困ったりした経験から、子育て中のお母さんのお手伝いをしたいと云う想いで作った。親が子供を育てる喜びや楽しさを感じながら元気にくらせる地域づくりをめざしている。
・いしかり子育てネット会議(2005年設立)
行政とNPO団体、サークルが年4回集まり、縦割りではないつながりのある子育て支援と情報交換をしながらコミュニケーションを図り、地域で連携して問題を解決することを目指している。これまで、子育てネットマガジンの発行、こどもまつり子育てメッセの開催、NPプログラムファシリティー養成講座の受講と実践、イクメンプロジェクトの開催などを行ってきた。
その成果:会議やメッセの企画運営などを行う中で、行政、各団体間の協力体制が出来てきた。
これから:「こどもはみんなで育てよう」「みんなでつくろう子育て子育ちのまち」をめざして進み、考えていく。さらに一緒に考える人・行動する人を増やしていきたい。
これからも、市民の声が聞こえる、生活が見える、課題も見える石狩の良さを失くさないで活動していきたい。
3)大久保知歩さん、新井里保さん
子育て支援演習「おててつないで」は、保育学課の先生たちの協力の下、親子を学校の演習室に招き、家庭では出来ない様な事を楽しんで貰う活動で、現在30組の親子が登録、年齢や立場の違いなど関係なく同じ目線で楽しめる場となっている。
※このような形の子育て支援活動を授業として行っているおそらく道内唯一の大学が地元にあると云うのも石狩の特徴のひとつ。
子育て支援について
・家族の形が多様化しているので、支援も多様な形が望ましい。
・演習に来ない親子へも目を向けるような活動も考えていきたい。
・学生も親子も共に成長出来る場であるので、若い世代(小、中、高校生)が参加できると良い。
授業を受けた感想
・親の話しが聞けて勉強になった。
・先輩ママや専門知識を持つ先生と交流が出来て良かった。
・子育てしやすい社会について興味が増し、卒論のテーマとして研究している。
まとめ
・少数者への対応も必要。
・子育て支援についての理念の確立が大事。
・若い世代への広がりが望ましい。
◇シンポジストの報告を受けて、コーディネーターの木脇奈智子さんは、それぞれの報告を要約された上で、広い地域を持つ石狩が子育てを通じてまとまることは出来ないだろうか、と結ばれました。その後、何人かの来場者からも意見が出されて、シンポジュウムは終了しました。