10月7日(水)、まちの先生企画講座3「デジカメ写真を楽しもう!」の第1回「写真の撮り方(撮影の基本)」を石狩市公民館で行いました。講師は、写真集団 はまなす 主宰の経塚剛敏さん、受講者は19名でした。
講師の経塚さんは、カレッジ生として日頃熱心に講座を受講されています。今回はまさに、自ら学ぶと同時に人にも教えると云ういしかり市民カレッジが目指す理想の学びの形が実現したものです。
経塚さんの第一声は「私はこれまで写真を撮ってきて本当に良かったと思っています。今回の講座は、作品を作る楽しさをみなさんにも是非体験して欲しい、そんな思いで企画しました」
お話の前に、経塚さんが写真展を開かれた際に出版された写真集が披露され、経塚さん手持ちの数種のカメラが紹介されました。
以下は本日のお話の概要です。
写真の撮り方
◇カメラのチェックと感度調整
①カメラのチェック
電池が大丈夫か、カメラが正常に作動するか、記憶メディアが十分か、などをチェックする事が大事。電池はスペアーを持つと良い。
②感度調整
・暗い場所や夕暮時など、光の強さ弱さにより手ブレしないようにISO感度の調整をする。
・光の光質によりホワイトバランスを調整する必要があるが、細かな調整が難しい場合はオートが無難。
③カメラの構え方
手ブレをおこさないように肘を締め、安定した姿勢を保つ。
④撮影モードの切り替え
動きの速いものの撮影などはモードの切り替えや速いシャッター優先にすると良い。
◇デジタルカメラの特質
撮影結果をすぐに見る事が出来るのは素晴らしいこと。メモリーカードは、保存した画像を消去して何度でも再利用できる。
性能は、一般に画素数が多いほど画像がきれいになる。
◇写真の撮影
①撮影の姿勢
手ブレしないような構え方が大切。
②作画のポイント
・ショット
ファインダーの中に人物をどのように納めるか。
アップ、バスト、ミディアム、フルなどを使い分ける。ショットはカメラと被写体との距離で決まる。
※人物を撮る時は、眼にピントを合わす。眼の中にキャッチアイ(白い点)が入らないと生き生きした写真にならない。
・カメラディスタンス
被写体との距離。
・カメラアングル
被写体に対するカメラの角度(カメラアングル)も工夫する。ノーマルポジション(人間の高さ)、ハイアングル(高い位置から)、ローアングル(犬猫などの低い位置)
・シンメトリー
中心から折ると左右の像が重なるような左右対称の画面。
③構図と表現
・黄金分割
安定した講座 7:3の比率分割
不安定な構図 安定した構図を破ると強い印象を与える
動きのある構図 対角線等の強い線を入れるなど
※ピントを合わせると対象が真ん中になりがち。ピントを合わせたらシャッターを半押ししながら少しずらしてシャッターを切ると良い。そうしないといわゆる日の丸写真となって評価されない。
・フレーミング
目の前の情景・光景の空間を切り取る作業 ファインダー内の整理
・トリーミング
出来た画像から余計なものを切り取る作業 出来あがった画像の整理
※基本的には、フレーミングで勝負し、うまくいかない場合のみトリーミングする。トリーミングをあてにするような撮影は良くない。
④光の取り込み
撮影時の光をどう読むかで作品が大きく変わる。
・光の方向
順光~光を背にして撮影 斜光~光を斜めにして撮影 逆光~光を前にして撮影
順光は、ベタ光と云われ影がない立体感のない写真となる。光が斜めに当たると立体感が出て理想的。
・光の性質
硬い光とやわらかい光
・主光線と補助光~ライティングやストロボ撮影
※光と影を上手に演出することが大切。
⑤シャッターチャンス
決定的瞬間を撮るには訓練が必要。プロでもシャッターのタイムラグは0.3~0.5秒以上あると云われる。
※タイムラグを補うには、予測して撮ること。動きのある瞬間の写真を粘って撮った時の喜びを味わって欲しい。
⑥適性露出
露出とは、フィルムや記録メディアに与える光の量を調整すること。シャッタ―速度(光を入れる時間)と絞り(光を入れる面積)の組み合わせで決まる。
※オートで撮ると強調したい部分が際立たない。できればオートを脱却することが望ましい。
⑦被写界深度
焦点の合う範囲。一般にレンズの絞りを絞り込むほど深く、絞りを開くほど浅くなる。望遠レンズは、焦点の合う範囲がせまくなり、広角レンズは、深くなる。
⑧回折現象
普通の35mmカメラの場合、絞りの数値を大きくすると、光が影の部分まで曲り込んでいく回折現象がおきる。
◇撮影ジャンル
自分の得意なジャンルを確立すること。
以上が本日のお話の概要ですが、経塚さんの丁寧な説明で、写真を撮る上の基本的な考え方がよくわかりました。次回は実際に写真を撮りますが、本日教えてもらったことを活かして、素晴らしい写真を撮りたいものです。