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主催講座15 「超高齢化社会」~あなたはどう生きますか~

第1回 「健康寿命のすすめ~自分で出来る老化対策『身体活動』」

2015/11/12

117日(土)講座15「超高齢化社会」~あなたはどのように生きますか~の第1回「健康寿命のすすめ~自分で出来る老齢化対策『身体活動』」を花川北コミュニティセンターで行いました。

講師は、手稲渓仁会病院副院長の大野和則さん。受講生は23名でした。

 

 先生は、前段で平均寿命と健康寿命について述べられてから本題に入られました。


 以下、お話の概要を紹介します。

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〈はじめに〉日本の平均寿命と健康寿命

日本の年齢区分別人口の将来推計を見ると、悲しいかな15歳から59歳の層が減っていくと予想されている。一方高齢化率は、平成27年度で65歳以上が26.8%と約4分の1になっている。

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日本人の健康寿命は、平均寿命ほど延びていない。

・目指すところは、健康寿命を長くして、不健康期を短くすること。

 

身体不活動は全世界の死亡者数に対する4番目の危険因子WHO 2010年)

・世界の死者数に対する危険因子

 1、高血圧(13%)2、喫煙(8.9%)3、高血糖(6%)4、身体不活動(6%)

・重要なことは、

  「身体活動=運動」ではない!

  「身体活動=運動+生活活動」

   日常のちょっとした動きも健康に役立つ。例)歩行、階段、家事、買い物

1、50歳からの体の変化

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注目点は、50歳からうなぎ上りに手術の件数が増える。60歳からは転倒骨折が急増、803分の2は骨折。骨とか関節の寿命が追いついていない。

・年齢と共にいろんな体の機能が落ちるが、1番最初に落ちるのは、バランス(平衡感覚)。50歳で半分以下となる。筋力でも持久力(歩く筋力)は落ちないが、瞬発力(パワー)が落ちる。自分では気付かない。

 

何故、50歳前後で様々な体の機能が低下していくのか? 

閉経、女性ホルモンの産出激減。また男性ホルモンも低下

    ⇒更年期障害、高血圧、うつ病の原因

 ・性ホルモンは、体の基本的機能(血管。骨、筋肉)維持のため老年期にも必要。

 ・50歳から「体のエネルギー産出方法が変化」する。

    解糖エンジン➡ミトコンドリアエンジン

 ・50歳から、生き方(生活習慣)を替えなければいけない!

    解糖減る:食事の糖質減らす。瞬発力をつける筋力訓練必要

 

2、筋肉の役割・働き

 〇関節における筋肉(骨格筋)の働き

   1、関節を動かす  2、関節の安定化 3、衝撃の吸収作用

   下肢筋力低下が膝痛の主要因の一つ

 〇筋肉、骨、軟骨の生まれ変わる速さ(半減期:半分生まれ変わるのに要する日数)

    ●筋タンパク質:48日  ●骨:7年   ● 軟骨:117

   軟骨は一生使わなければならない。

   筋力は運動不足ですぐに低下するが、筋肉は高齢になっても増やせます

   ・筋肉はタンパク質で出来ている。タンパク質は毎日作りかえられる。

   ・高齢者でもタンパク質は絶対必要。粗食はいけない。

 高齢者の「粗食」「低栄養」に注意

   老化は、体からタンパク質が抜けて、乾いて、縮んでいく過程。タンパク質不足は老化を早める。

 高齢者の筋力を増やすには?

       2種類の運動と食事で筋力再生!

  ・運動 筋トレ:最大筋力の40%ほどの強さで運動を繰り返す

    有酸素運動:ウオーキングやエアロビクス。筋肉の合成を助ける

  ・栄養 ロイシンなどの必須アミノ酸(タンパク質)を補給する

    食事でしかとることのできないアミノ酸(肉)

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3、筋力の低下と変形性膝関節症

  瞬発力は50歳で60%減少、60歳で半減するが持久力は7割残っている。

 加齢による筋力の低下の三原則

   1.女性の方が男性より低下が大きい

 2.下肢の方が上肢より低下が大きい

   3.関節を伸ばす筋の方が曲げる筋より大きい(大腿四頭筋)  

     膝痛で病院へ来る人の9割は女性

  歩くだけでは、筋肉は増えない!

 ・ウオーキング自体の効果はたくさんあるが、ただ歩くだけでは筋肉は増えないので転倒は予防できない!

 ・赤い筋肉(赤筋):遅筋、ゆっくり収縮・持久力・ウオーキング時の筋

・白い筋肉(白筋):速筋、すばやく収縮・パワー・加齢で低下・増強には筋力訓練必要・低下は転倒の原因

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 中高年の歩き方と姿勢

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  ◇左側の人=つま先歩行

 ・重心が前方に移り、転倒しやすい。大腿四頭筋が低下、膝が伸びづらくなる。下腿筋疲労、ふくらはぎ筋痛、けいれんを起こす。

 ・筋力のない人、疲れた人、の歩き方

 ◇右側の人=かかと歩行

・大腿四頭筋が強い。おしりと太腿の大きな筋肉を使い効率が良く疲れにくい。歩幅が大きく、歩行速度も速い。有酸素運動にもよい。

日常生活で運動効果を高める方法

 ・高齢者の歩行速度と生存期間が関連

  男女ともすべての年齢層で、歩行速度が速いほど生存期間が延長した。

 ・歩き方の質を高めることが重要

  大股で、早く歩く。うまく手を振る:後ろに大きく振る。

『チョイキツ』が目安:息がはずむ、隣の人と会話ができる程度。

 ・座位時間の短縮が老化を遅延させる可能性

  〈仮説〉高齢者では、座位時間を短くすることが、運動時間を増やすことよりも重要との仮説を提唱

  変形性膝関節症(OA)

 〈原因〉加齢・女性・肥満・外傷・筋力低下

 ・膝を守る筋力の衰え5兆候 

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膝痛の原因 筋肉の衰え

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   (1) 軟骨のすり減り

 (2) 滑膜の炎症

 (3)  骨髄病変

 ・軟骨自体には痛みはない。軟骨の欠片が滑膜に付着すると炎症が起きる。

 ・膝痛とレントゲンの所見は、必ずしも相関しない。

 ・膝のOAのレントゲン病期が進行しても、膝の痛みの少ない人はどんな人か?

:筋力がある、肥満がない、膝の動きがよい

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   膝痛の患者さんの「あまり知られていない」特徴

 1. 下腿のむくみ

     ・足を動かさないと、筋肉の効果も低下して静脈とかリンパの流れが悪くなってむくんでくる。

 2. 足首と足部の腫腸・痛み・しびれ

 3. 下腿(ふくらはぎ)の筋肉痛、こむら返り

   ⇒スリ足歩行になり、下腿の筋肉疲労が起こる

 4. 打撲や捻挫など軽微なケガから膝痛が起こることが多い。(中高年は筋力の余力がない)

 貯筋が大切

 

4、健康寿命延伸のすすめ

 高齢者の一日活動エネルギー消費量と死亡率の関係についての調査結果

  「高齢者では日常生活の"エネルギー消費量(=沢山動くこと)が高いほど長生きする!」

 高齢者の低栄養、早くから気を付けて

  低栄養は筋肉↓ 脳機能↓  骨密度↓  免疫力↓

 中高年の運動・スポーツは「人と一緒」が有効

   ~5年後のメンタルヘルス及ぼす影響を分析~

(筑波大学,2015102日)

  ・余暇活動(趣味・運動)の実施者は、実施していない者と比べて、メンタルヘルスが良好だった。

  ・運動は、いつも誰か(仲間)と一緒にする場合のみ、明確な効果が見られた。

  ・趣味は、女性は単独でも効果があったが、男性は誰かと一緒にする場合だけ効果があった。

 脳も筋肉と同様に運動で肥大する 

  ・社会や個人同士のつながりが大切!

 高齢者の健康維持に大切な3つ

  ・身体活動(運動) ・栄養  ・集い(心の健康)

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まとめ:高齢者の健康維持(身体活動)のコツ

 1. 特別な運動は、ほとんど長続きしない。

 2.  日常生活に運動を組み込む「ルーチン化」こと。

   運動して翌日は9割残っているが、2週間後にはまったく運動効果は無くなる。毎日何かを続けることが必要。

 3.  毎朝散歩より、「毎日、出歩く人」の方がよく動いている。

 4.  要は「普段からマメによく動くこと」!買い物、用足し、サークル、

  趣味、ボランティアなどの外出を多くする。

 5. 「社会との関わり」を増やす。

  外出しない、「閉じこもり」が最悪(退職、転居、伴侶の死)

  

 先生は、「最後にこれだけは覚えて帰ってください」と仰って、次のメッセージを示されました。 

     Take Home Message №

          前を向いて、踵(かかと)から歩こう!

      TakeHome Message №

          生きていることは、動いていることだ(ソクラテス)

 

 受講者からは、日々感じているところ、さらに納得するお話でした。食事、運動、集い、大切であることを楽しく話していただきよかった‼ ラジオ体操やっぱりやろうかと思います。前向きに頑張って生きたいと思いました。などの感想が寄せられました。

  

 

 

 

 

 

 




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