11月2日(木)主催講座11「温泉をもっと知ろう!」の第3回「温泉に入ろう!」を行いました。講師は、北海道立総合研究機構 地質研究所の鈴木 隆広さんと定山渓観光協会の長野 祐輔さん、さらに観光協会の山田 英明事務局長さんには最初から最後まで懇切丁寧に案内をして頂きました。受講者は46名でした。
素晴らしい好天に恵まれて、8時30分にバスに乗り、定山渓を目指して公民館を出発、10時に定山渓ホテルに着きました。
ホテルの横には定山渓温泉開湯の祖と云われる美泉定山の像が立っていました。
ホテルには鈴木さんと観光協会の山田事務局長さんが待機していて下さり、早速鈴木さんに案内されて、ホテルそばの月見橋から眼下に豊平川を覗きこみ、マンホールのようなふたで覆われた温泉の湧出孔や石英斑岩を見ながら説明を受けました。
湧出孔は、石英斑岩の割れ目に沿って温泉が噴き出しているもので、定山渓には56か所ありそれぞれのホテルの所有となっているそうです。過去の調査見積もりによると、全体で毎分8600リットルの温泉が湧出しているとのこと。
さらにホテル裏の二見公園・二見吊橋まで歩き、聳え立つ石英斑岩の絶壁を観察し、鈴木さんからお話を聞きました。吊橋は結構揺れてちょっとスリリング!
公園の通路には、処々にカッパの像が据えられていました。
その後ホテルに入り、観光協会の長野さんから定山渓の歴史についてお話を聴きました。
定山渓温泉は、1866(慶応2)年に修験者の美泉定山(みいずみじょうざん)がアイヌ人に先導され泉源と出会ったことに始まり、昨年で開湯150年。定山渓の名前は定山に由来している。
大正7年には、定山渓鉄道が開業、団体客が押し寄せて「札幌の奥座敷」と呼ばれるようになり、大正12年には「北海道三景」に選ばれた。
高度成長のただなかの昭和40年、観光協会により「第1回かっぱ祭り」が開催されたが、これは漫画家・おおば比呂司の提案によるもの。
バブル期の後は厳しい時代になったが、平成24年には「カッパ祭り」に替りジャズフェスタを開催、定山渓温泉も新時代を迎えている。
定山渓温泉の歴史について学んだ後、昼食のカレーライスに舌鼓を打ちました。
昼食の後は、いよいよ待望の入浴ですが、入る前に前回習った温泉の泉質分析書を見て、ナトリウムー塩化物温泉(中性低張性高温泉)であることを確かめました。このあたりが、ただの温泉入用とは異なるところです。
さてお湯に浸かってみると、当たりが柔らかで体に優しい感じ。
みんなでおしゃべりをしながらのんびり温泉に浸かるのは、まことに極楽!
湯から上がっても温まった体はポカポカ。時間もたっぷりあったので、ゆっくり休憩を取りました。
休憩の後は最後の見学先、定山ゆかりの定山寺へ。
定山寺は、大正5年に曹洞宗説教所として建立されたのが始まりで、大正12年には札幌・中央寺金毘羅堂に保管されていた定山の御遺物を譲り受けた。宝物殿には、定山が托鉢の時に手にしたと云う獅子頭などが展示されていました。
一同なにがしかの喜捨をして仏さまに手を合わせました。
こうして本日のスケジュールをすべて終了、快い疲れでバスに揺られながら帰路につきました。
今回はお天気も上々、日ごろ温泉宿を訪れても気にも留めない源泉の取入れ口も見学、ゆったりお湯に浸かって、定山渓温泉の効能のひとつのストレス解消をはかることが出来て大満足の一日でした。
受講者からはたくさんのコメントが寄せられましたので、その一部をご紹介します。
「晴天の秋の一日、素晴らしい思い出が出来ました。温泉の効能や定山渓の歴史を頭に入れての温泉入浴はとても良かったです」
「楽しく有意義な一日を過ごさせて頂き、感謝々々。天候にも恵まれ鈴木先生の3回目の解説(現地)も楽しく親しみを感じつつお聴き出来ました。年に一度は定山渓泊りの機会を持つのですが、やはり街歩き、解説付きと云うのは、より実感をもってこの地を知ることが出来ると納得した次第です。ぜいたくに、ゆったり、のんびり楽しみました。昼食もおいしかった~」
「定山渓は何度も来ていたが、今回は今までとは全く違う経験が出来た。月見橋の上から見た泉源も面白かったし、吊り橋の方まで歩いたのも初めてであった。今までにない定山渓温泉を楽しめた。入浴は良かったし、カレーライスもおいしかった」
「2回目の講習を受けていたおかげで、今回の現地説明は良く分かり面白かった」
「身近に温泉を楽しんでいましたが、内容はほとんど判っていませんでした。この講座により、見方を変える事ができそうです」
「身近に温泉があるのになかなか来る機会がなく久しぶりです。温泉の廻りにも自然の温水が湧いて川の散策が出来て楽しみました。又、石英斑岩の大事な役割を知り勉強になりました」