5月27日(月)、まちの先生企画講座1「大人のための絵本セラピー」の第1回テーマ「最初の質問」を石狩市公民館で行いました。講師は、絵本セラピスト協会認定絵本セラピストⓇ田中美代子さん、受講者は20名でした。
みなさんこんにちは、みなさんは大人になってから絵本を読んでもらったことはありますか?
絵本は子供だけのものではありません。経験を持つ大人だからこそ心に受け止める事が出来ることがあります。
今日は、5冊の絵本を読みますので、お配りしたワークシートを使って、今では忘れかけていた気持ちや絵本が訴えていることに気付いて頂きたいと思います。
大人の心を豊かにしてくれる絵本セラピーを楽しんで頂ければと思います。
ただ、ちょっとお願いがあります。ワークシートの最後に書かれている、話したくないことはパスでOK、お話の終わりには拍手をお願いします、ここでのお話はここだけのこととしてください、の3つをよろしくお願いします。
1.「はーい おはよう!」作・北村 人
「最初の1冊を読みますが、はーい おはよう!と言ったら、おはよう、と答えて頂ければ嬉しいです」
はーい おはよう!(おはよう!)僕はいす、どうぞ座ってくださいな~~~
「挨拶を交わすことは、お互いを応援することではないでしょうか!」
2.「やきざかなののろい」作・絵 塚本やすし
ぼくは、やきざかながきらいです~~~
「最後はやきざかなが好きになってしまったお話でした。それでは、ここでみなさんに自己紹介をお願いしたいと思います」「①今、呼んで欲しい名前②どこから来たのか③好きな食べ物の順にお話下さい」
参加者全員が、自己紹介をし合うことで会場が随分和やかになりました。
3.「だいじょうぶだいじょうぶ」作・絵 いとうひろし
僕が今よりずっと赤ちゃんに近かった頃、おじいちゃんが今よりずっと元気だった頃、僕とおじいちゃんは毎日にように散歩を楽しんでいました~~~
僕が色んな心配するたびにおじいちゃんはいつも言いました。だいじょうぶだいじょうぶ、それは無理してみんなと仲良くしなくてもいいんだってこと、それはわざとぶつかってくるような車などめったにないってこと、それはたいていのけがや病気はやがて治るんだってこと、それはこの世の中そんなに悪いことばかりじゃないってこと~でした。
だいじょうぶだいじょうぶ、僕は随分大きくなり、おじいちゃんは随分年をとりました。今度は僕の番です。おじいちゃんの手を握って何度も言います。だいじょうぶだいじょうぶ、おじいちゃん!
「それでは、みなさんそれぞれの感想を書いて頂けますか」「書いたら、グループの中でひとりひとり順に発表して下さい」・・お互いがそれぞれ感じたことを発表し合いました。
だいじょうぶだいじょうぶと云う言葉には、みなさん随分触発されたようで、自分が感じた事を熱心に話していました。その後、それぞれのグループを代表した3人が発表しましたが、色んな気づきがいっぱいあったようです!
田中さんも「実は私も今日は、だいじょうぶだいじょうぶと心に言い聞かせながら来たのです」
4.「最初の質問」詩・長田 弘 絵・いせひでこ
最初の質問、今日あなたは空を見上げましたか?~~~
「この本はとってもきれいな絵本で私は大好きです。みなさんは、どの質問が、好きでしたか?」
「それでは、私からの質問です。『あなたは、何歳の自分が好きですか?』」
何歳の自分が好きか、それぞれワークシートに書き込んで、お互い話し合いました。
「はい、みなさんは何歳の自分が好きでしたか?」
「本当は、今の自分が一番好き、と答えて欲しかったなあ、と思うのですが」と云う言葉に、みなさん思わず笑い!
5.「はじまりの日」作・ボブ・ディラン 絵・ポール・ロジャース 訳・アーサー・ビナード
「これは、ボブ・ディランが息子を想って作った「Forever Yung」と云う曲に基づいて書かれた絵本です」
君が手を伸ばせば、幸せに届きますように!~~~毎日が君のはじまりの日、今日も明日も新しい君のはじまりの日~!
「はじまりの日でした」「絵本には、人生で3度出会います。1度目は子供の頃、2度目は親になった時、そして3度目は自分の為に!」
そして講座の終わりにあたって、田中さんは「この講座で、絵本の楽しさ、力がみなさんに伝われば、と願っています」と結ばれました。
5冊の絵本を読んでもらい、それを聴いて湧き上がってきた自分の気持ちを見つめ、みんなと共有することで気持ちがすっきりして、どなたも来た時より一段と明るい顔で会場を後にされました。
最後に講座を受けてみなさんが抱いた感想をいくつかご紹介します。
「なかなか絵本を見る機会がありませんでした。絵本を通して色々考えることがありました。だいじょうぶの一言で心が安心すると云うことを思い出しました。とても楽しい一日でした」
「絵本は人生で3度会う、その通りです。会話の出来る機会があり、楽しかった」
「毎日の生活に追われ、大切な物の足元の事を忘れていた事を改めて考えさせられた。新鮮な気持ちにさせられたひと時でした」
「良い時間でした。やさしい気持ちに満たされました。言葉の力、絵の力がしみじみ伝わる、と云う感覚を覚えました。絵本から人生を感じる時間というのも大切ですね。ありがとうございました。『最初の問題』⇒私にとって心に残る言葉は『あなたのとって良い一日とは』かな」
「とても癒された1時間半でした。大人が読んでも考えさせられる絵本でした。少しはやさしくなれたでしょうか?絵本は自分で読むより人に読んでもらった方が心にしみますね」
「絵本は今でも大好きです。自分の好きな本をいつも孫に買っています。先ず自分が楽しんでからあげています。今日の絵本もその一冊になりそうです」