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主催講座1「誰も知らない石狩海岸の素晴らしさ」

第3回「海浜植物を知ろう!」

2019/06/16

 5月31日(土)主催講座1「誰も知らない石狩海岸の素晴らしさ」の第3回「海浜植物を知ろう!」(フィールドワーク)を行いました。講師は、石狩浜定期観察の会代表の安田秀子さんと、いしかり海辺ファンクラブ副理事長で運営委員の石井滋朗さん、受講者は41名でした。
今回は、前2回の講座で学習した「石狩海岸の素晴らしさ」を現地石狩海岸を訪れて、その成り立ちや植生の特徴に触れ体感しようとするものです。

◇今日の学習のポイント
実感しよう!
●石狩海岸のつくり(構造)と植生の帯状構造
●海浜植物と特徴(葉・根・地下茎)
●海浜植物によりつくられ保持されている砂丘
●海岸の気象(風、日差し)
以下、概要を紹介します。

◇車窓から石狩海岸のつくりを観察
公民館を出発し、国道231号を北上(東埠頭前経由)してはまなすの丘公園まで、内陸から海に向かって植生の帯状構造の変化について確認。
・自然林:明治期から防風林として残されてきた、樹高が高く樹種も多い。
 (カシワを中心に、クワ、ミズナラ、イタヤカエデなど)
・第2砂丘:10mほどの高まり、内陸側に樹高の低いカシワの天然林
*カシワは落葉樹であるが翌春に新葉がでるまで葉が落ちない。縁起物。
・第1砂丘:6mほどの高まり、海岸草原を形成。
・砂浜:海浜植物
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バス下車後、2班に分かれて活動を開始
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◇ハマナスの丘公園ヴィジターセンター2階より
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〇砂嘴(さし)と灯台の位置
・日本海と石狩川の出会う場所。大量の土砂が運ばれ、風と波によって形成。
・明治25年、石狩灯台が出来た頃は200m先が海であった。現在は1.2㎞先にある。  
・砂嘴の先端の形状は季節的に変動している。
〇展示
・ヴィジターセンターの歴史や展示物
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◇はまなすの丘公園木道付近の散策
・砂丘草原と海岸草原を作る植物
同じ植物でも地形の違いや風の影響により背丈に変化がみられる。
・野鳥の宝庫:草原に集まる野鳥たち
 ヒバリ、ホオアカ、ノゴマ、ノビタキなど野鳥にとっての聖地である。
・ヒバリの鳴き声が絶えることなく聴こえている。
 ヒバリが鳴く(雄)のは、巣作りから抱卵、子育ての時期だけで、雛が巣立ちをする夏になると鳴かない(さえずらない)。自然草原が広がる石狩海岸では多くの草原性の野鳥が巣作りし、繁殖している。
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・エゾカンゾウ
 誰かが持ち込んだか種が飛んできたか。はまなすの丘公園に植生はない。
・ハマエンドウ
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・背の低いはまなす群生
 はまなすの丘は風が強いため背丈が伸びず、地を這うように生えている。はまなすは1日花で、夜になっても閉じないで次第に色が薄くなる。香りが良いので、昔は香水をとった。
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・石狩川堤防の終点
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・木道から河川敷へ
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・コウボウシバ
 花が済んで実が膨らんできている。
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・コウボウムギ
 雄花と雌花の株が別々にある。雌花は実をつける。
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・ツノアカヤマアリの巣
 巣の特徴は出入り口に草を積んである。普通5~6年でなくなる。この巣は長持ちをしている。頭に角があり、胸が赤茶色。絶滅危惧種。
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*エゾヤマアカアリの巣が、第2砂丘の所にスーパーコロニーをつくっている。アリは巣が異なると敵対する習性があるが、石狩砂丘に生息するアリは敵対しない。絶滅危惧種。
・オニグルミの木
 石狩川が上流から運んできた種が根付いた。樹齢30年位と推定される。
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・ハマナスの花の観察
 香り、がく、花弁、花粉、おしべ、めしべ、種。
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〇石狩川の川淵
 テトラポットで護岸するも波が浸食。
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・はまなすの根
 砂地に生える植物はよく根(地下茎)を伸ばす⇒水分が得やすい、砂丘を支える働き。
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・ススキの侵入、拡大
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◇砂浜の観察
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・海浜植物等保護地区
「生態系保護地区」では、車の侵入や植物採取禁止。
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・どんな植物が生えているか「ふれあい保護地区」で観察。
 ハマヒルガオ、ハマボウフウ、コウボウムギ ウンラン、ハマニンニクなど。
・ハマニンニク(正式和名テンキグサ):テンキ(アイヌ語で編んだもの)
 葉を干して、かご、帽子、ポシエットなどの編み物をつくる。
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・海浜植物の葉の特徴
 葉が厚い、つやつやしている、毛が多い⇒表面にワックス成分がある。乾燥を防ぐ。傷つきにくい。
・コウボウムギ(別名フデグサ)
 砂に埋もれても葉や茎は上へ伸びてくる。地面に埋もれた古い地下茎の繊維が沢山残った所(かつての葉の部分)を筆として使った。
19,1,3IMG_3250.jpgのサムネール画像19,1,3IMG_3234.jpg
・風紋
 黒っぽいのは、砂鉄が含まれているから。
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・浜崖
 冬の間大波に洗われて崩れてしまって、根や地下茎の様子が見える。
海浜植物は、砂の中で根や地下茎が伸びて深く入って、砂丘を安定させていることがわかる。
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・オニハマダイコン(1年草)
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・オカヒジキ(1年草)
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・ハマニガナ
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・地下茎がつながっている。
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 以上が、本日の、見て聞いて触れて確かめる活動のあらましです。
風が強く寒い中でのフィールドワークでしたが、自然が作り出す石狩海岸とそこで生息する動植物達の営みが、素晴らしい景観を生み出していることを体感することができました。帰路は、弁天歴史通りを経由して公民館帰着しました。講師の安田さん、石井さん、情熱的な解説ありがとうございました。

 最後に、受講者からのコメントの一部をご紹介します。
「石狩に住んでいながら、石狩海岸の事をほとんど知らずにいましたので、丁寧な説明を受け、海岸の成り立ち、多種多様な植物たちがこんなにあるのを知り、素晴らしいところだと感じました」「とても詳しく説明していただき、石狩浜の成り立ち、草花の話、興味深く聞きとれました。何度も来ていたハマナスの丘、しらなかった事ばかり。今度来るときは違った他の楽しさで見て回れそうです」「とても有意義な体験を有難うございました。長年石狩の住民でありながらこの時期に接することが無かった事、さりげなく見過ごすだけで年数を過ごしてきました。家に帰り思い出しながら楽しみに、用意していただいた印刷物を拝見させていただきます」「想像(予想)以上に楽しく勉強になりました。良かった!やはり解説ガイドがあると全然違いますね。充実していました。安田さん、石井さん、スタッフのみなさまに感謝!これから石狩浜を歩く時、海浜植物を見方が変わって親しみをもってみられます」「この時期石狩浜を歩くのは初めてで、いろいろな植物に出会えてとても良かったです。特に地下茎をのばしてたくましく生きている植物たちの生態。それを守っておられる方々にも感謝です」「大変多くの人々が参加され、安田講師はじめ石井様の案内で、海浜植物の詳しい説明をしてくださり、鳥の様子等、大変よかったです。また、バスのなか、ヴィジターセンター内で石狩海岸の歴史や観察を学び、内容豊かな講座であり(1~3回)感動しましたよ。スタッフの皆様、いつもご苦労様です。感謝しています」「何度となく訪れているハマナスの丘公園ですが、しらずに通り過ぎていたところに咲く花たちの名前を知ることが出来ました。砂丘の成り立ちを生で見て自然の力はすごいですね。安田さんのお話、楽しく拝聴しました」




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