主催講座8「日高路の旅~むかわ竜とアイヌ文化の里を訪ねて~」を行いました。受講者は48名。
石狩市公民館からバスに乗り平取を目指しました。
2時間強の車中で、スタッフがアイヌ民族についてや夕張メロン、平取トマトなどについて話をしました。
11時前に平取町立二風谷アイヌ文化博物館に到着。
最初に学芸員さんから二風谷アイヌ文化博物館とアイヌの人たちについて説明を受けました。博物館は、萱野茂さんが収集したアイヌ民族資料をもととして平成4年に開館。平成14年に文化庁から「北海道二風谷及び周辺地域のアイヌ生活用具コレクション」として重要有形民俗文化財に指定された919点を収蔵している。アイヌはそれぞれの地で生活様式や言葉などに地域性があり、沙流川流域には17のコタンがあって約1,000人ほどが住んでいたそうです。
博物館は、「アイヌ~人々のくらし」「カムイ~神々のロマン」「モシリ~大地のめぐみ」「モレウ~造形の伝統」の4つのゾーンに分けて展示され、アイヌの伝統文化を多角度から学べるようになっていました。皆さんは館内の展示を一つひとつ熱心に見て廻っていました。
また、萱野茂さんが収録されたユカラなど口承物語もビデオで見る事が出来ました。
動物を獲るワナの仕掛けもいくつかあって、実演も見せてもらい体験もできました。自然の恵みを得るためのアイヌの知恵にみなさん感心する事しきりでした。
館を見学した後は、アイヌ文化情報センターで昼食を取りました。
昼食後は、三々五々、自由に沙流川歴史館や二風谷コタン内を見学しました。
◇「沙流川歴史館」
二風谷遺跡などの収蔵品の展示や今と昔を再現するジオラマなどがありました。
ダムカードもあって数人が手に入れていました。
◇二風谷コタン
広い敷地の中に、様々なチセがありました。
炉のあるチセの内部
木彫りや織物・縫物など伝承工芸を実演しているチセ
倉庫や熊送りのために子熊を飼っておく檻
水の力を利用した杵
◇萱野茂 二風谷アイヌ資料館
国道237号線を越えると萱野茂 二風谷アイヌ資料館がありました。
こうしてアイヌについて多くの事を学んで、次の見学地穂別へ向かいました。
スタッフから宮沢賢治や穂別村初代民選村長の横山正明の話しを聞きながら、穂別地区旧富内駅を通り、車窓から宮沢賢治の花壇設計図「涙ぐむ眼」を再現した花壇や「銀河鉄道の夜」をイメージして空に向けてせり上げた鉄路を観察しました。
むかわ町立穂別博物館では、学芸員さんから丁寧な説明を受けながら館内巡回しました。実は当日の朝刊に、むかわ竜が新種として正式に認定され、学名が「カムイサウルス・ジャポニクス」に決定したと云う記事が掲載されて、正に絶好のタイミングでした。現在むかわ竜「カムイサウルス」は、国立科学博物館で展示中で、実物は見ることができませんでした。
クビナガリュウ「ホベツアラキリュウ(ホッピー)」
中生代白亜紀。海生爬虫類。1975年に発見、1977年に発掘。胴体の大部分と前後のヒレなどを採集。
モササウルス類 ティロサウルス。
中生代白亜紀後期。海生。1985年発見。
アンモナイト
アンモナイトはタコやイカの仲間
ウミガメ
1980年採集。全長1mほど。1996年新種として発表。
その他様々な化石があって、穂別は恐竜化石の宝庫だそうです。白亜紀の穂別の様子をあらわしたジオラマもありました。
博物館見学の後、生きた化石・メタセコイアの並木道を通って長沼に向かいました。
長沼の道の駅「マオイの丘公園」では、みなさんニコニコ顔で買い物をして、帰路につきました。
アイヌの里と恐竜化石、二つのテーマを一日じっくり学んで大変充実した一日でした。
最後に、受講者から寄せられたコメントをいくつかご紹介します。
「『二風谷』も『むかわ』も展示場も充実して時間が足りない程。記念の日にめぐり会えて、また感慨深い旅になりました、楽しかった。今日は女性の参加も多かった様。補助席のローテーションのおかげで男性も楽しそうに話していました。横から聞こえてくる話題も楽しかったです。補助席のローテーションは、又旅の楽しみが増え、いいもんだナーと思います。皆さんにおすすめです。係りの方のアイディア、good!補助席も意外に広く見晴も悪くなかった」
「楽しい楽しい一日でした。スタッフの方々が各々に車中で解説を加えて下さったのは、なかなか面白く良い方法だと感心しました。平取もゆっくりできましたし、穂別も大変魅力的な見学、研修ができました。感謝あるのみ!車中での隣人との会話も有意義でした。一日中、ステキな環境をありがとうございました」
「タフな日程でしたが、充実した一日を過ごすことができました。むかわ竜もアイヌ文化博物館も良かったです!日程的には難しかったのでしょうが、旧富内駅は、できれば下車して写真を撮りたかったです。企画・運営の皆さま、お世話になりました!」
「今日はラッキーな日和だ。朝刊でほべつ竜の学術名が決定の報、天候は予報がはずれ晴天に。穂別では学芸員さんの親切で丁寧な案内。個人では体験出来ない、カレッジならではの・・・事務局担当の皆様、有難うございます」
「新聞で恐竜が新しく命名された日と運よく一緒になったのは偶然でよかった。また、二風谷では、知らなかったアイヌの方々の素晴らしい技術、美意識の高さに感心させられました。心配した雨にも遭わず楽しい一日でした。ありがとうございました」
「今回の見学場所は初めての所だったので良かったです。二風谷もとても素晴らしかったです。穂別は何回も行っていましたが、博物館は初めて。こんないい所があるなんて思ってもみませんでした。ありがとうございました」