11月4日(木)、主催講座12「石狩浜の漂着物から地球が見える」の第2回「実際に漂着物を集めて調べてみよう!」を行いました。講師は、いしかり砂丘の風資料館・学芸員の志賀健司さん、受講者は18名でした。天候が崩れやすいこの時期ですが、幸いに素晴らしい好天となって気持ちよく浜辺を歩くことが出来ました。
1回目で、石狩浜には、川から、外国から、南からと主に3つのルートで漂着物が流れ着くことや漂着物が「渚の百科事典」「海からの手紙」と言われる由来を学びましたが、今回は石狩浜を歩いて実際に自分たちで漂着物を採集し、その一つ一つについて具体的に学びました。
◇漂着物の採集
浜辺を歩く前に、志賀さんから、危険で触れてはいけない漂着物と一旦拾ってそれを別の場所に置くことはしないようにとの注意を受けた後、本日のお題(必ず採集するモノ)を聞いて歩き始めました。お題は、貝をひとつ、クルミをひとつ、青いプラスチックをひとつ、採集することです。
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最初10分ほどは志賀さんと一緒に歩いて、採集のコツを教えてもらい、その後は個々のペースで歩きました。
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どちらかと云うと漂着物は少なめでしたが、お題の貝とクルミはすぐに採集できました。ところが、意外なことに青いプラスチックがなかなか見つからず採集に苦労しました。
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9時30分頃から河口へ向かって歩き始め、10時15分になったら戻ることになっていましたが、20人ほどが一緒に歩くと、早い人、中くらいの人、遅い人などかなりバラツキが出ます。しかし、マイペースが一番。中くらいの人が河口に着いた頃に10時15分となって、引き返しました。
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◇採集した漂着物について考える
いしかり砂丘の風資料館に集まり、車座に座って、お題に副って集められた漂着物について志賀さんから解説を受けました。
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①貝類
採集されたのは、カキ、ホッキ、皆さんがハマグリと間違えたバカガイ、イソシジミ、白っぽいナミガイ、ホタテに似たアカザラガイ(アズマニシキ)、ムラキイガイ(ムール貝)、長細いオオミゾガイなど。また、穴の開いた貝もいくつかありましたが、これは、ツメタガイが穴を開けて中味を吸い出して食べた跡だそうです。
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ウニやヒトデの仲間で棘皮動物のブンブクも。
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②クルミ
一番多く集まりました。穴の開いているのは、アカネズミが食べたもの。また黒くなった果肉がついたものもありました。
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③青いプラスチック
ブラシの柄や破片など
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④その他
石炭(今回は小片しか見つかりませんでした)
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3つのお題についての解説の後は、一人一人が自分が採集したこだわりの漂着物を紹介しました。
・韓国製のビニール押さえ(ビニールハウスで使用する)
・フジツボがいっぱい付いた枝
・タマネギ
・コンブの生えたムラサキイガイ
・カタクチイワシ
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・船舶用電球(30W)
・岩ガキ
・ロシアのスプレー
・泥岩
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等々実に様々な漂着物があり、これらはほんの1時間半ほど歩いただけの採集物なので、大波の後にじっくり歩けばさぞ多くの漂着物に遭遇することでしょう。漂着物は実に多様なようです。
本日のビーチコーミングを通して「漂着物は、渚の百科事典」「漂着物は、海からの手紙」であることを身をもって感して、帰路につきました。
志賀さん、今回の講座で漂着物への理解がぐっと深まりました、ありがとうございました。
最後に受講者のコメントをご紹介いたします。
「穏やかな天気で海岸歩きが楽しかった。ビーチコーミングの検討会は、志賀さんからそれぞれに説明があり新しい発見もありました。漂着物は海からの贈り物~色んな事を考える材料になります。もっと多くの市民が参加できると良いです」
「天候に恵まれ、皆さん一生懸命に浜辺を観察して廻り、その後資料館での詳しい内容の説明、色々考察させて頂き大満足でありました」
「天気が良く、海岸で貝殻、くるみ、青いプラスチックを求めながら楽しく河口まで散策。帰バス後に河口から散策路を一周できることを発見。次回の楽しみができた。ハマナスの咲く頃に来よう」
「天気も良く快適な海辺の散策、とてもいい汗をかきました。ちょっぴり勉強にもなって満足」
「非常に有意義な講座でした。漂着物も季節によって変わるので次回、別の季節に開催して頂きたい。採集時間も1時間くらい延長して欲しかった。全員の発表はとても良かった」
「気持ちの良い浜辺散策、ビーチコーミングできました、楽しかったです。よい機会になったとこれから海に来た時、楽しめることが分かりました。志賀さんの解説、勉強になりました!ありがとうございました」
「天気も良く楽しかったです。改めて海辺をきれいにしないといけないと思います」
「素晴らしいビーチコーミング日和でした。ごみの一つ一つに物語がありロマンを感じました。ありがとうございました」