令和5年6月13日(火)まちの先生企画講座1『筆ペンで味のある文字を描こう』の第1回「筆ペンに慣れよう」を石狩市民図書館視聴覚室で行いました。今回の講師は己書 札幌由美道場の安井由美子さんで、受講者はスタッフを含め19名でした。
安井さんは最初に「己書(おのれしょ)」について話されました。
「己書」は、自分だけの書という意味で、心のままに描く書のことです。書き方にはルールはなく、書き順などにもとらわれることがなく、自らが思うがまま、自由に筆を走らせ、自分の世界観を楽しく表現する新感覚の書です。
己書のロゴの入ったTシャツを着た安井さん
今回使用する材料は、筆ペン二種類(太字用、うす墨用)、画仙紙はがき、白紙数枚などでした。受講者は材料費を払って購入しました。
練習について、以下、安井さんの説明です。
己書の書き方にルールがないと言っても、書き方には簡単なコツがあります。まず、下の練習見本図の①にある「ぐるぐる」を描く練習をしてみます。筆ペンを根元まで押し付けて描くのがコツです。皆さん、用紙一杯に「ぐるぐる」を描き、お互いに見せ合って下さい。これが、己書の書き方練習のひとつです。
次に、②にあるような太い線を引く練習です。右から左へ、下から上に、逆から線をひくのがコツです。
以下の見本図と同じような大きな太い波線を描きます。下から上に、右から左へ描きます。
次は見本の五十音図を描く練習です。
紙を横にして左側からマル○を5個づつ上下に描き、それを紙の右側までマルを埋めて行きます。そして、マルの内側に「あいうえお」の五十音を描きます。その時のコツは「あいうえお」の何ヵ所が「ぐるぐる」になるように意識して描くことで、書き順は自由、二度書き三度書きもオーケーです。受講者3人の描いた五十音図を以下に示します。
次に最初の見本図の一番下③にある円相(えんそう)を描きます。筆先を自分の方に向け、筆を強く押し付けながら下から円相を描いて行きます。用紙を四つ折りにするとハガキの大きさになるので、そこに円相を描く練習をします。コツはハガキ大の用紙の上下左右の四隅を少し空けるようにして描きます。描いた円相の上に重ねて下の見本図にあるように、「ありがとう おかげさま」を描きます。
「ありがとう おかげさま」の練習風景を以下に示しました。
最後に、実際の画仙紙はがきに「ありがとう おかげさま」を描きます。描いたはがきの右上に「己書」、左下に名前の頭文字の朱印を押すと完成です。非常にサマになった己書が出来上がりました。
参加12人の描いた完成版をホワイトボードの上に並べました。お互いに出来栄えを誉めながら、満足した様子で眺めていました。
今回の講座では、自分で手を動かし、その成果物を目の前にしながら進んで行きましたので、受講者の皆さん、非常に楽しんで参加していました。参加者同士がお互いに話をしながら進んで行ったのも楽しかったようです。
最後に、受講者の感想や意見のいくつかを以下に紹介します。
「たのしかった。集中しました」
「あっという間で楽しかった。筆ペンを使うことがあまりないので、新鮮でした」
「なかなかむずかしかったが、面白かった。次回も頑張ります!」
「楽しかった〜!筆ペン、初めてでした。また来週ね。ありがとうございました」
「他の事に応用しようとおもい、参加しました。ぎゃく方向の書き方、とてもおもしろい発想とおもいました」
「俳句で使うため、受講させていただきました。また、年賀状も最近はパソコンが多いですが、書はやはり味があって良いですね。自由で楽しい雰囲気、個性が表れているところが良いですね。今後もこの様な楽しく実用的な講座をお願いいたします。この様な、日本文化を見直す講座をお願いします(今まで軽視されてきたので)」