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主催講座7「アイヌ文化を旅する」第1回「私はアイヌ」

2023/09/09

8月23日(水)、主催講座7「アイヌ文化を旅する」の第1回「私はアイヌ」を石狩市花川北コミュニティセンターで開催しました。講師は、アイヌ文化活動アドバイザーの関根摩耶さん、受講者は46名でした。
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 関根さんは、「irankarapte」 (イランカラテ)に続いてアイヌ語で自己紹介をしました。
次に日本語に訳して説明です。
「『私は関根摩耶です。平取町二風谷の出身で、今は神奈川県に住み北海道と行ったり来たりしながら、どのようにアイヌ語や文化、料理などいろんなものを広める事ができるかを考えている者です。今日は、すばらしい出会いや美しい会話ができることを喜んでいます。頑張りますのでよろしくお願いします』と挨拶させていただきました。よろしくお願いします」。
以下お話の概略を紹介します。

今日のお話の流れ
・自分の生い立ちについて
・アイヌの文化・言葉・料理について
(クイズを交えながら)
・テーマ「アイヌというもの」
〇私のアイヌ~二風谷での育ち~
平取町二風谷に行かれた方はいますか?(多数手をあげる)
今日は二風谷から2時間ほどで石狩に来ました。
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二風谷は古くからアイヌの人たちが大きな集落を築いていたといわれる場所です。自然の災害が少なく気候も安定していて、太平洋側なので雪も少ない。だから古くからアイヌ文化が根付いていて、今も若者を含めて文化継承が行われている。
北海道で唯一、義務教育(小学校)でアイヌ語学習が年間10時間ほど設けられていて、地域学習の他に伝統的な家屋「チセ」の復元、いわれのある山川などもある、そんなところで生まれ育った。
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〇私の家族
◇貝澤守幸(祖父)
・私の母が10歳の時に亡くなっているので会ったことはない。
・"縁の下の力持ち"として工芸の組合を作ったり弟子を抱えたり、地元のために動いた人とみんなが誇る、私の大好きなおじいちゃん。
◇貝澤ハギ(曾祖母):守幸の母
・大変陽気な方で歌や踊りが大好きで根っからの商売人だった。
・曾祖母世代(今生きていると100才を超える)は、アイヌ語を受け継いだ世代である。書き物をするときは、アイヌ語で考えてから日本語に訳すという世代。
・守幸さんは、アイヌ語も日本語もどちらも話せる世代。
◇貝澤雪子(祖母)
今も現役バリバリの83才。毎日曾孫とけんかしたり、マツタケ採りに崖を登ったりするパワフルで元気な祖母。
・当時3頭の熊を育てていて、北海道で最後に行われた「イヨマンテ」というクマ送りの儀式に使う熊を育てたのも祖母。
・今は、アットウシ(attus)と呼ばれる木の皮を使った織物の第一人者として70年近く織っている。 
・アイヌ語より日本語の方が得意で、単語レベルではよく使うが、聞き取りや会話は難しい。
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◇曽祖父母の教え
・苦労は買ってでもしなさい(口癖)
・苦労をして痛いことを知ることで人にやさしくなれる
・小さい頃から刃物を持たされ「ひとの痛みを知りなさい」
◇関根健司(父)
アイヌにルーツを持たない。
・父の父は奄美大島出身で、出稼ぎで関西に出て四国出身のおばあちゃんと出逢って父が生まれた。
・小さいときから文化とか言葉に興味を持ち、今は二風谷でアイヌ語の先生をしている。
◇関根真紀(母)
工芸家。二風谷で工芸を作っている。
・思考が柔軟で明るくポジティブな人
・子どもに何かを押し付けることなく対等に扱ってくれ、どんな立場の人とも同じ目線で関わる人
〇 わたし関根摩耶
私の世代では珍しい大家族で育った。温かい家族でどんな失敗も受け入れてくれた。家族はみな公平で、みんなで成長していこうとする家族だったので、小さい頃から家の手伝いをして、勉強しなさいと言われたことはない。
・魚を獲ったら内臓は狐にやってこい。
・キノコを採りに行くときは網編みを持って行き、胞子を落としてきなさい、などと教わりながら育った。
・札幌で独り暮らしをするときも、「あっち側に見えるのは東の山だ」と伝えるだけの、生きるすべを教えてくれる家族だった。
◇祖父母との繋がりで
二風谷という土地は年中お客さんが来るので、その繋がりで海外へ行かせてもらい、アイヌと括られる中でも私はラッキーで、家族にも環境にも恵まれた中で育った。
◇反抗期
7、8歳で、テレビでアイヌ語を話せる子として取り上げられ、一日中テレビに追われる小学校時代、それをプレッシャーに感じていた。
・大家族の中で逃げ場がなく、自分ひとりの時間や場所もなく中学から親元を離れた。
・離れてみて地元が大好きだと気づく
・常識だと思っていたことが世間では常識では無いとギャップを感じたときに、改めてアイヌの言葉や文化を勉強して、アイヌという心が持っているかっこよさとか強さとかを活かせる時代になってきているいう思いもあり大学へ進学を決めた。
◇大学へのきっかけ
私の家族は、無料で宿泊できるライダーズハウスを経営、手伝う代わりに無料で泊まれる。長い人は20年泊まっていた。
・私の父もその一人で、バイクで日本一周している中で母と出逢った。
・このハウスには、ヒッピーや、学生、海外に帰れなくなった人など様々な人が生活していた。そんな中で、アイヌという自分自身の境遇を聞かれることが多かった。
*今の学校教育は平等を掲げることが先に出て、個人が持っているものを引出す部分が弱いと感じることがある。
・私の場合は、「摩耶はどう思う」「家族をどう思う」「ルーツをどう思う」「地元は好き?」「アイヌの人ってまだいたんだね」。
・小さい頃から毎日聞かれていると麻痺して嫌でもなくなる。
・自分に知識、見識がないと、誰かを無意識のうちに自分の世界から排除していて、自分の無知を怖く感じたこともある。
・そんな中で大学に行きたいと思えるようになったのは、結果として家族や地元のおかげで今がある。
◇アイヌ文化と活動の広がり
高校3年生頃から反抗期も終わり、何かやりたい思いから、8年ぐらいアイヌ文化から離れていたイベントなに参加するようになった。
・小さいころからアイヌ語に触れていたこともあり、ラジオやバスのアナウンスなどに声をかけてもらえるようになり、アイヌ語の先生になってみた。
・「マヤ先生」、23才の私を先生と呼んで何かを求めてくる人がいるので、先生の核にならなければと高校生の頃から与えられている立場に見合うように今も勉強中。
◇会社の経営
会社では海外に向けたアイヌの工芸品、文化、無形文化の流通を、海外の特定ブランドから「アイヌの工芸かっこいい」と言われるように、外側からのアーツを作りたい。
・大学も卒業し、ラジオ、コーディネート、代理店業務などいろんなことをしながら生活している。
◇よく聞かれること
・今アイヌ何人ぐらいいるの
・どんな生活しているの
・アイヌってなに
実際にこれに答えられるアイヌはほとんどいないと思う。
・アイヌ語を話せるからアイヌなのか
・証明があるからアイヌなのか
・DNA的にアイヌなのか   ~どこで分けるのか~
◇アイヌは何人ぐらいいる?
・現に関東のどこかで出店したりすると、「自分はアイヌなどと無関係と思っていたけれど、遺品整理をしていて着物が出てきたので聞いたら、あなたにもアイヌのルーツがあるんだよと言われた」 「摩耶さんの話を聞いて家に帰って話をしたらいわれた」など自分がアイヌであることを知らないままの人もいる。
・私にも調査は来ていないし、受けていない人がいる中での数であるから調査自体正確性に欠ける。
◇アイヌってどんな生活している?
・同じような生活をしている中で会話や精神など、いろんなところにアイヌらしさを残して生活している人。
・むしろアイヌプリ、アイヌの生活様式をきちんと継承したいと、漁師をしながら毎回祈り言葉をささげて、カムイに向かって言葉を伝える習慣を続けている人。
・楽しんで遊んでいる人。 
~どんな生活をしていても人それぞれ~
◇「アイヌってなに」
みなさん、アイヌ語の意味ご存じですか。
・アイヌってなんですか?  ~そうです「人」です~
・人から尊敬されたり慕われたり求めてもらえる人を「アイヌ」と呼ぶ。元々は会話の中で「あの人はアイヌだね」といわれたら「あの人は素晴らしい人だね」、いわゆる敬称の言葉として使われている。
・尊敬されていない、求められていない人はアイヌではないのかもしれない。
・私自身も、ライダーズハウスをやっていて、多い時には40人でご飯を囲むので、そんな中でどんな人でもこの人は人間だ、この人は人としての人だと思う人はアイヌとしてみていた。
・どこのパスポートだろうが、どんな見た目であろうが、何語を話していようが、私が尊敬でき好きだと思える人はアイヌで、今もそれは変わらない。
〇民族としてのアイヌ
◇北海道に主に居住している日本の先住民族
自分たちは先住民だと元々思っていたわけではない。
・今となっては、自分たちは先住民だといって戦う人。
・先住民と言われることを嫌だと思っている人。
◇どこに住んでいたのか
・残っているのは:秋田より北、仙台より北。
・時代にもよるが樺太の南半分、千島列島、北方四島。
・カムチャッカ半島の先の方にもいたといわれている。
・北海道の95%以上がアイヌ語に由来をもつ地名だと言われている。
◇交易の民
狩猟民族なだけではなく、アイヌの場合シカもサケも食べ物が豊富で、元々日本列島はタンパク質が自分からやって来るともいわれる土地。
・食べものがあるときに何をするか:手工芸、交易。
・交易の民と呼ぶ方が近いと私は感じることもある。
・アイヌ文化圏と言われるようになったのも交易で文化を形成し始めてたからともいわれる。
◇独自の文化、言語を持つ
・「カムイ」の正しい発音
「カムイ」は「カム⤴イ」、「チセ」も「チセ⤴」
2つ目の母音にアクセントがくることが多い。
・「カムイ」は、八百万と何が違うか
◇人間に対するカムイの価値観  関係
・カムイに認定するのはアイヌ側であることもある
・人間に役に立つ前提でカムイは存在する
・自然現象は当然人間に作用してくるのでカムイ
・動植物も自分たちに必要なものはカムイ
・虫を表す名称は少ない。名称がないということは認知もされず、あまりカムイにはなり得ないこともある
・人間に作用し役に立つものをカムイとする
私が今飲んでいる水も、ペットボトルも、パソコンも人間に出来ないことをしてくれるからカムイである
・そこら辺の石ころも、自分にとって宝物だったらカムイであり、役に立たなければカムイではない。
小さい頃祖母からいろんなものに「カムイだから敬いなさい、言葉をかけなさい」と教わった。
家に誰もいなくても「ただいま」というのは、家の柱や窓や多くのカムイが、あいつ挨拶もしないといじけるから声をかけなさい。
・あるとき、床が可哀そうになって、意味があるのになんでこんなに踏まれるんだと泣いていたら、祖母が「床も誰かの土台になるための役割を摩耶は果たしてあげているのだから、むしろ感謝しているよ」と、言い換えれば、都合の良い考え方だ。
・虫が出たとき、虫も役割を持っているから外に出してあげようというのが私。母は一瞬に殺す。私に魂を送られたいからここに現れたんだから殺してあげないと失礼だ、という。
◇今に受け継がれる知恵、教え、学んだこと
・自分の行動や考えに責任を持ち、道筋を立てるという教えがカムイという概念なのかなと捉えている。
・なんとなくここにあるから、みんなが大事というからではなく、なぜ大事なのか、なぜ意味がないのかを考えて、人に使われるというのが「カムイ」というものかなと思っている。
・アイヌは水をこぼしたら「テーブルがのど乾いてたんだね」という。
・のど乾いてるから人間を使ってこぼさせたのに拭いたらかわいそうだろ。
・早く拭いてあげなさい。こんな寒いのに水掛けられたらたまったものでない。
  ~人それぞれ~
私の中では教育ってそんなものだと思う。世の中の常識でこうあるべきとか、人としてこうあるべきではなく、それぞれが自分の中でこれが正義だから、それを受け取って欲しい。そこが面白いところかなと思ったりする。
〇身近なアイヌ文化
◇アイヌ語地名
日本語だと思って使っているけれどアイヌ語だったというのがたくさんある。
・日本語からアイヌ語になった言葉(借用語)
 kaypeci ← キャベツ     kampoca ←カボチャ
   tayko  ← ダイコン      kimi←トウキビ
・アイヌ語から日本語になった言葉
 トナカイ← tonahkay   ラッコ←ラッコ
 オットセイ←(アイヌ語と中国語が混ざっている)  
 konpu ←コンブ     susam ←シシャモ  
・どっちが先かわからないものもある
 骨 アイヌ語で「pone」 箸(はし)アイヌ語で「pasuy」
◇ヒグマを表す言葉:60~80ぐらいある
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 特徴によって呼び方が変わる:毛色、息遣い、性格、見た目
 排泄物:山を歩いていてどんな動物がいるかによってこの山はどんな山かを認知する。排泄関係の単語も多くあった。
・サケについても何段階もの言い方がある
◇アイヌ語が持っていない概念
日本文化にはなじみがあり、日本語に多いと云われているもの。
・色: アイヌ語には元々4つしかない
 白 retar  黒 kunne  赤 hure  その他 siwnin
・アイヌの場合は階級がない。みんなで一斉に狩りに行く、大工をする、祭りにはみんなで遊び続ける。色を分ける必要がない社会であったと言われたりもする。まだ研究がされていない分野でわからない。
・アイヌ語で現わせる概念と現わせない概念が言葉一つとっても面白い。
◇孤立した言語
近隣のロシア、本州、和人のことば、朝鮮半島、大陸など、今のところ兄弟関係すら認められていない孤立したことばと言われている。
・特徴として、古くからその土地で伝わっていることが多いと言われている。
・元々のアイヌ語があって、そこに日本で使われていた言葉が混ざったのかわからないが、古いことばではないかと言われている。
・元々文字を持たなかった言葉。
その世界観が今も残っている。概念的に比較する言葉が少ないように感じる。感覚として使っている話ことばのやさしい部分だと思う。
◇口承文芸の発達
人はこうしてこうなったから、こういうことはしてはいけないよ。話し言葉は、分りやすく優しい部分もあると思っている。
・チャランケ:武力をそれほど持たずに、口げんかで解決する
・ロマンチック?:ことばを分解できる言葉。人間が理解しきれないもの。
・人間の理解を超えているものは、端的に短く表す。
 太陽 cup       風   rera  
・テーブル 四本脚で支えるもの 
人間が作り出したもの、人間が理解できるものは分解して言葉を組み合わせる事ができる、数学っぽい言葉と言われている。◇私が好きなのは
自分で自分の魂を揺らせる、心を揺らすということ。
・「自分で自分の魂を揺らすとき」はどんなときでしょう?
「考える」
先に知識をつけるな。先に勉強して知識をつけてしまうからそれ以上に、魂を揺さぶる経験をしにくくなる。
・「目と目がくっついて離れない」 どんな状況でしょう?
「恋する」
◇日常会話のアイヌ語、新しい言葉
元々アイヌ語にない言葉を作り出す活動を始めている。
・危機に瀕する日本の言語8つの中で唯一、極めて深刻な言語と分類された(ユネスコ、2009)。
・若者たちが自分たちの言葉で話そうとしている。
・旦那さんと二人で、アイヌ語で子育てをしようとしている。
アイヌ語の世界観を知ること。この言葉にしかないこの土地で育まれた言葉を伝えることに意味があると思う若者たちが、SNSやメールをアイヌ語だけでやり取りする人が増えている。
私にとっては楽しみなことです。
〇アイヌの工芸
・なんでこんな面倒くさい文様を施すのか。
・魔よけといえば早いが、自分のものはそんなに作らない。
・ひと針ひと針、ひと堀りひと堀り使う人を想いながら作りる。
・だからこそ、受け取った人が大事にしてくれるのだと思う。
・死に装束:自分の死期を悟ったときに着物を作り出す。
・お墓を木で作る:循環することに意味をおいているのかもしれない。   
・おばあちゃんの織物にお母さんが刺繍をする。
・煙草入れ一つにも手間をかけて装飾を加える。
・まっさらなものがあったら木彫りや刺繍をしたくなる。
・私の母は無印の店で買い、手を加える。物に魂があるから。
人間は、物が欲しがっている時にそれにおしゃれをしてあげるのも人間の役割。そうすることでカムイたちが喜んで、またあそこに行きたいなと思ってくれる。
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〇アイヌ料理
・アイヌ料理を食べたことありますか?
アイヌ料理は確かに質素だけれど、知恵だらけの料理です。
山岳民族の料理は漢方のように食べることで体を整えるような料理で、生活の中の薬草とか自分を整える知恵が詰まっている。
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・祖母が作った弁当
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植物を知っているということは、毒を作るのがうまい。
・酔っ払い熊が毒矢に当たったときがこの世の中で一番恐ろしいと云ういわれがある。
・2mを超えるヒグマが10m先で矢に刺さって10m来るまでにもうろうとさせる猛毒を作るアイヌの知恵というのは家宝で、息子でも信頼できなければ教えないこともある。
・植物性で一番猛毒なのはトリカブト
◇薬草文化、保存文化、掛け合わせ文化
各家庭2年以上は保存できるといわれている。
・湿気が少ない。
・肉や魚を完全に油抜きしなくても保存できる。
・冬になれば冷凍できる。
熱い地域よりも食材は保存しやすいのかもしれない。
・開拓時代、子どもを育てられなくなったときは、アイヌの家の前に子どもを置いていったという話もあった。
◇その土地で生きていく術
・チセ(家)
カヤ張りの掘っ立て小屋の中に、地面に落ち葉をたくさん敷き詰めて家を建てるので、冬になると醗酵熱で地面が少しだけ温かくなる。
・保存させる知恵があるので、アイヌの食事は興味深い。
・主食はオハウ。オハウも地域によって個性がある。
*いろんな食文化があっておいしいのでイベントでも出てくるので食べてみてください。
〇工芸文化
つい数年前までは民芸組合員が10名ぐらいに減っていたが、今は38名いる。
・「苦労は買ってでもしろ」と笑いながら続けてくれた家族がいたから、今組合が存続できて、当時の4倍ぐらいになっている。
◇アイヌ語教室
・私の頃は小学校3、4年生になると恥ずかしがって教室に行かなかった。
・大学に入ってからルーツを知ってアイヌを学んだ人。
世代や時代の関係によってそれぞれ違うものを持っていて、守りたいものや残したいものが違うと感じている。
〇今日のテーマ「アイヌというもの」
そのまえに、有名な言葉
 Kanto orowa yaku sak no arankep sinep ka isam
  天から役目なしに降ろされたものは一つもない
◇よくいわれること
「人間2回生まれる。
  1回目はおんぎゃー。
   2回目は何のために生まれたのかを気づいた日」  
私もまだ模索中で、自分にしかできないことは何か、自分の役割は何だろうと考えることが、アイヌ文化ではすごいきっかけをもらえる。今後の日本をどうするんだよ、と思うときに、私の中のちょっとした希望や理想社会への入り口としてアイヌがある気がして、家族が大事にしているものだから大切なものだというのが私の正義というか恩返しのように思い、こういう活動をしている。
 アイヌ文化が残っていて伝わることに価値があるのではなくて、それすら伝えられないほど受け皿が狭い社会になっていたら辛い悲しい思いをするのではないか。
自分の文化を捨てるだけでなく、自分の言葉を捨てて、自身がどう育ったのかを考えるだけで、ただの23才がこうやって皆さとお話ができる社会があり、こんな面白いんだということを知ってもらいたくてこういう活動をしている。
・そこら辺のこういう石ころでも何かしらの役割がある。
・好きな言葉 「妻は借り物」。
奥さん、旦那さん、親、子ども、友人、誰でも良いのですが、自分のものだという過度な期待から、何でしてくれないんだと被害者意識になりがちだけれど、それぞれ差があって個性があって、先に摩耶がいてその中にアイヌもあって、奄美がルーツで、様々な活動を通して心が豊かだと思える社会に繋がったら嬉しい。
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〇私の将来~私にとっての「アイヌ」とは~
会社としても海外からのアイヌ文化や工芸やことばに対する価値づけを高めていきたい。
・国連にいって感じたこと
その土地にあるものを使うからこそ、その国が活気づいて、お金が循環して経済の仕組みを作るのがうまい国がある。
・世界の今のムーブメントとしては、先住民言語の重要性や先住民族が持っているその土地に関する知識を今の時代に合わせて作り出していくのか、それとも持続していくのかを考える。
・日本も自分たちが持っている底力、アイヌ文化に限らず、山一つ越えたら通じないほど豊かな言葉(方言)がある。そこをを義務教育で学ぶことを私は求めていて、プレッシャーをかけるためにも海外に出て発信したい。
◇いつか、アイヌ語の学校を作りたい
・子どもたちが寝言でアイヌ語を話しだす。
・アイヌ語に「ゴミ」「自然」と直訳する言葉はない。
・そのような概念を持たずに使い続けていたアイヌ語の価値観で生きる子どもたち。
「魚のハラワタは狐にやってきなさい」的にアイヌ語で育った
子どもたちはどうなるのか興味があり、そこに価値があると思っている。
〇まとめ「私にとってアイヌは」
 民族としてのアイヌとはこうあるべきだとは思わない。それぞれ譲れない部分があって、お互いを尊重して認知して、まずは知る。知ったうえで判断する場所、議論する場所が増えていくことで、ざっくりとしたアイヌという言葉(アイヌの人々、アイヌの方々、アイヌ人、アイヌ人民族)そこすらわからない。
 私たちが話さなければならないのは、そこからもう2つぐらい先である。それをきっかけに今日の「私にとってアイヌ」のようになってくれたらうれしいと思う。
話を聞いてくれてありがとうございます。イヤイライケレ!
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最後に、受講者のコメントを一部紹介します。
「大変面白く、内容の濃いアイヌ文化のお話に感動しました。アイヌの世界観はとても魅力的であり、学んでいきたいと思います。言葉、工芸、食、毒のはなしは、大変興味深いものでした。関根摩耶さんの魅力に引き込まれました」
「アイヌ文化の考え方、世界観の一端を少しは理解できた気がする。アイヌばかりではなく他民族の多様性をリスペクトすることが大切と思う」
「関根摩耶講師、生い立ちからアイヌに関する生活、考え、暮らし、言葉、心等詳しく説明して頂き大変考察することがあり良かったです。この次の見学会も楽しみです」
「新鮮で楽しい講話でした。次週も楽しみです。アイヌ語の世界観が豊かで感動しました。まずは知る事ですね」
「長時間のお話し、ありがとうございました。今日は参加でき感謝しています。若い力で世界に発信し続けてください。ご健勝を祈っております」
「今まで何度か話を聞いたことがありましたが、今日は本当に感動しました。本質を知ることが出来ました。素晴らしい人生を歩んでおられるのが嬉しいです。いつまでも応援しています」
「アイヌ民族はどこから来たのか、の話も聞きたかった。縄文人とアイヌ民族とは違うと、キウス遺跡のフィールドワークの時に聞いたのだが、、。人としての芯のカムイを学べてよかった。アイヌ民族の言葉も行動も美しいと感じられた」
「凄くわかりやすかった。声もとても聞きやすく、自己紹介も『アイヌ語』。びっくりです。初めてのアイヌ語でした。23歳の君 はばたけ!」
「アイヌ文化の豊かさ、良さ、現代日本人が持っていない考え方、お話を聞いて良かった」 「再登壇希望します」




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