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まちの先生企画講座4「ミツバチとハチミツ~ハチミツから見る石狩の自然」第3回「養蜂の現在とハチミツの品質」

2023/12/19

 12月14日(木)まちの先生企画講座4「ミツバチとハチミツ~ハチミツから見る石狩の自然」の第3回「養蜂の現在とハチミツの品質」を石狩市民図書館で開催しました。講師は尾形優子さん、受講者は16人でした。
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【内容】
  ミツバチと植物の関係、ハチミツの素晴らしさ、植物とのコラボレーションについてお話してきましたが今日は古くからミツバチと係ってきたことからお話します。
1、人類とミツバチのかかわり
⑴ 古代                 
  絵の紹介
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 古代からエジプトでは養蜂が行われていた。
紀元前6000年アラーニャ洞窟(スペイン東部)世界最古の採蜜壁画~野生の巣からハンティングしている様子が描かれている。
繁栄の象徴として紋章に使用ー子孫繁栄、国家繁栄の象徴。
⑵ 中世~近代
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 中央・南・東アジア・東ヨーロッパの一部を原産地として修道院で養蜂が行われていた。キャンドルの原料を目的として養蜂が行われ、人の移動とともに(南極を除く)世界中に広がった。
左の写真は主人が亡くなったことをミツバチに報告しているもの。王室でも養蜂を行っており、エリザベス女王の時も伝統行事として主人が変わることを報告している。それほど、人とは身近な関係にあった。観察・研究もされ多くの研究書物がある。
⑶ 現代
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 映画「みつばちの大地」の予告編 2012年制作(札幌2016年公開)。
ハチがが突然いなくなる「蜂群崩壊症候群(CCD)」が世界各地で発生した。その原因は現代養蜂で常識とされている養蜂への警告ではないのか。
2、現代養蜂の常識
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 市販ハチミツはミツバチの越冬保存食をもらっているものなので(蜜を奪われた)蜂には糖液給餌が行われ、代用花粉、抗生物質、防ダニ剤なども使用されている。薬剤の残留基準が定められているが、残留していることの裏返しです。
(尾形農場では)現代養蜂で常識とされることを不自然と感じ、これらを一切使わない養蜂を行っている。
3、養蜂の主な生産物と生産額(2021年)
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 農業生産品への貢献額は1800億円、送粉者(ハナバチ)の経済貢献額は約6700億円。
花粉交配用ミツバチは農業資材として扱われている。
4、ハチミツの国内流通(令和3年統計)
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 国内で流通しているハチミツの95%は輸入でそのうち中国が66%。家庭用でも国産は10%、90%は輸入による。いかに外国に依存しているかがわかる。
5、ハチミツの国内生産量と蜜源
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 蜂蜜の生産量、輸入及び消費量と蜜源植物の面積の推移(H26~R3)。
S35年(1960年)の自給率は100%だった。10年後は36%と激減している。これはS38年(1963年)の輸入自由化によるもの。
蜜源植物としてはレンゲのハチミツを見ないという声を聞くが、レンゲはかって水田の緑肥作物として栽培されていた。S60年当時、みかん14.3万ha、レンゲは21万ヘクタールあった。
6、ミツバチをとりまく環境
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 主要蜜源作物の栽培減少、雑木林 トチ・キハダ・ハリギリなど減少。
山間部の広葉樹の減少ー針葉樹への転換。
ニセアカシアは産業特定外来種として土地開発・道路の土留め材として導入されたが、成長早く、繁殖力旺盛で拡がっている。→北海道がハチミツ生産量日本一。
ネオニコチノイドー花粉・花蜜への残留によってミツバチの体内に入り、神経系統が侵され帰巣できなくなることもある。
園芸品種の品種改良では華やかな花、種なしの果樹・果物など花粉のない花は蜂にとってはうれしくないこと。→蜂にとっては原種に近いものがいい。
7、身近な環境をミツバチ(送粉者)に優しく
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 提案したいことー私たちにできること⇒花を育てましょう。
尾形ファームの様子(写真)では色んな昆虫がいるが爆発的に増えることはない。
野生の昆虫たちに益虫・害虫の区別はそもそもない。
身近にある農薬の使い方にも配慮が必要。
日本人の美意識も(植えたもの以外は徹底して除草する)も蜂にとっては優しくないこと。
8、「もしも、地球上からミツバチがきえたなら、人類は4年で滅亡するだろう」アルベルト・アインシュタイン
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 写真は環境団体作成のハチがいなくなった場合の作物を比較したものですが、むしろ森や草原の中で野生の昆虫たちが受粉できなくなったら1年草は枯れ、裸地、栄養不足、多年草にも影響が出る。
9、まとめ
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植物とミツバチとの関係では相互利益の関係が成り立っているが、ミツバチと人、植物と人の関係では、人は受益者の立場。食物を与えてくれる昆虫はミツバチしかいない。人との相互利益の関係が崩れていることを考えてほしい。地球全体でも色んなものが相互利益の関係から成り立っていることを考えてほしい。このことが3回の講座を通して言いたかっこと。 
ここでUチューブ動画の一部を紹介
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【15分の動画を視聴するには――TED ハチが消えつつある理由で検索】
この動画は今何が起こっているか、起こっていること、絶望せずにまだ希望はあります。
皆さんにできることについてメッセージは2つです。
・(在来の)花を植えること。
・殺虫剤・除草剤は使わない
ミツバチ・カイコは人の手がないと生きていけない昆虫。養蜂は人里でやるべきもの。
人が環境を整えることが人にとっても優しい環境になると思います。
 
会場からいくつかの質疑を受けて本日の講座を終了しました。

アンケートからいくつか紹介します。
「大変勉強になりました。小規模の養蜂したいと思っている心ある養蜂家屋さんを応援しています」
「ミツバチと人間生活の係りについて大切な事、沢山知りました。アインシュタインの言葉"地球上からミツバチが消えたなら人類は4年後で消滅するだろう"本当に大切なことと実感しました。色んな面で大変勉強になり楽しい授業でした」
「ミツバチを取り巻く環境は人間にもやさしくない環境となると気づかされました。ミツバチの力で食生活への影響が大きいことに気づかされました」

                                      






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