令和6年6月4日(火)まちの先生企画講座2『大人のための絵本セラピー』の第1回「大切な言葉」をいしかり市民図書館視聴覚室で行ないました。今回の講師は絵本セラピスト協会認定絵本セラピスト®の田中美代子さんで、受講者は14名でした。
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「皆さんは大人になってから絵本を読んでもらったことがありますか?絵本は子供だけのものではありません。様々な経験をもつ大人だからこそ心に受け止めることが出来ることもあります。絵本を通じて自分を大切に思える時間になればいいと思います。
今日は「大切な言葉」というテーマで5冊の絵本を読みながら進めていきます。帰るときに楽しかったなとか絵本読んでみようかなとか思っていただけるとうれしいです。」という田中講師の言葉で始まりました。
受講者にワークシートが配られ、「お約束ごと」について一言説明がありました。
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最初の絵本は「よこむいてにこっ」という本です。マスクの中でも構わないのでお話を聞きながら「にこっ」と微笑んでリラックスしてみてください。
皆さんの顔を見ながら緊張がほぐれて顔のウォーミングアップになったかと思います。次の絵本は「いただきますレストラン」。札幌に住んでいる絵本作家の作品です。
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4つのグループに分かれて、ワークシートに呼ばれたい名前・どこから来ましたか・好きな食べ物を各自記入し、グループ内で自己紹介をしました。
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3冊目は「ゴリラさんだめです」という楽しいお話しです。
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各自「してほしいこと」を書いてグループ内でシェア後、各グループ代表者より発表。
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4冊目は「フレデリック ちょっとかわったねずみのはなし」です。
読後、各自が本の感想をワークシートに記入後グループ内でシェア。
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5冊目は「わすれていいから」という本です。
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思いを伝えるには言葉が必要だけど、言葉は他の人に伝える手段でもあり、自分の感情をコントロールするためにも必要なものです。色々な言葉を知っているということは、自分の中の感情を整理しやすくします。言葉に乏しい人は旨く話せなくて暴力に走ったりパニックになりやすくなったりします。最近、小学校に「チクチク言葉、フワフワ言葉」というポスターが貼ってあったりします。
毎日の生活の中で言葉について考えるきっかけになるといいかなと思い、「大切な言葉」というテーマで行ないました。
少し時間があるので、言葉を感じる絵本を紹介します。(講師が以下3冊を朗読)
①「字のないはがき」(原作:向田邦子 文:角田光代 絵:西加奈子)
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②「ことばのかたち」(作者:おーなり由子)
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③「あつかったらぬげばいい」(作者:ヨシタケシンスケ)
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作者のヨシタケさんによると、間違いには2種類あって、直したほうがいい間違いと直さなくていい間違いがある。直せなければ自分のチャームポイントだと思えばいいそうです。
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以上が本日の講座概要ですが、田中講師の朗読は心に染み入る感じで癒やされました。
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最後に、受講者から寄せられたコメントをご紹介します。
「心癒やされる良い時間をありがとうございました。慌ただしい日々が続いていましたので少しゆとりを持って絵本に向き合えた気がしました。詩的でユーモアのある想像力を静かにわかせてくれる短い言葉はやはり心に響きます」
「絵本セラピーとは?初めて参加してとても参考になったこと。普段何となく使っている言葉も気をつけなければとつくづく感じさせられました」「たくさんの本を紹介して下さったのがよかった。特に、いただきますレストランはブラックユーモア的で最後のクジラがどんでん返しで面白かった。字のないはがきは戦争による子供の犠牲を知らされた。ことばのかたちやあつかったらぬげばいいも考えさせられた」
「ゆったりした時間を過ごすことができました」「とても不思議な時間でした」
「現在はほとんど絵本に触れることはないが、久し振りにその世界に遊び命の連鎖や否定の言葉の裏側にあるやさしい気持ち、それを想像する力は心やこの世界を豊かにすることができる等、大人としてさえ感銘できるのだから子供達がこれらの絵本で心豊かに育ってほしいと願っている」