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まちの先生企画講座3「わが子のパーソナルトレーナーになろう」第3回「成長期に多いスポーツ障害」

2024/07/07

 7月3日(水)、まちの先生企画講座3「わが子のパーソナルトレーナーになろう」の第3回「成長期に多いスポーツ障害」を石狩市花川北コミュニティセンターで開催しました。講師は、石狩レッドフェニックス球団専属トレーナーの高岡広一さん、受講者は15名でうち2名が生徒さんでした。
「みなさん、よろしくお願いします。本日は、成長期に多いスポーツ障害についてのお話ですが、後半は65歳以上の方(私は後年期という言葉を使っています)に多いケガと対策についてお話させていただきたいと思います」
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1.成長期とは
最も身体が成長する時期のこと。一般的に男子では約12歳、女子では10歳にこの時期を迎える。
2.成長期に多いケガ
本日は、主にオスグッド・シュラッター病、セーバー病、腰椎分離症の3つについてお話したいと思います。
①オスグッド・シュラッター病
小中学生男子に多い膝のオーバーユース(使いすぎ)による成長期スポーツ障害の代表的疾患。
成長期には骨はすごく成長するのに、筋や腱は同じようには成長しないので、結果的に硬い身体になってしまう時期でもある。
そのために生じる大腿四頭筋の柔軟性低下(いわゆる太ももの筋肉が固い)を契機に、ジャンプやダッシュなどの繰り返しの動作による膝蓋骨(お皿の骨)を引っ張る力が脛骨粗面に加わる。成長期の脛骨粗面には、骨が成長するために必要な新しい骨(骨端核)が存在し、大腿四頭筋による強大な牽引力が負担となり、骨端核の発育が阻害され突出して痛む。
・予防策
大腿四頭筋の柔軟性を向上させ、付着部への負担を減らすことが一番の予防策。
前側が硬い⇒使いすぎ⇒後ろが使えていないか硬すぎる。
予防策は、裏ももを使えるようにすることと股関節をやわらかくしてきちんと使うこと。
・予防運動
椅子に座ったまま、右足を前に出し、かかとをつけ足先はあげる。股関節に手をあてて、お辞儀する。
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②セーバー病
セーバー病(踵骨骨端症)は、10歳前後の男児に多くみられる病気で、かかとの軽い腫れ、圧痛(押すと痛いこと)、歩行時痛。
発育期の子どもの弱い踵骨骨端部(かかとの骨の端でアキレス腱が付着しているところ)に運動などで負担がかかり、そこにアキレス腱の引っぱる力が持続的に加わることで、踵骨に血流障害が起こり、踵骨骨端核(かかとの骨の骨端軟骨より先の部分)の壊死(えし)、または骨軟骨炎を発症する病気。
・予防策
足首とアキレス腱の柔軟性の改善が最優先。
足首が硬い⇒痛くなる⇒しゃがみ動作などで膝をたくさん使う。
オスグッド・シュラッター病へと進行する。
足には、柔らかさと硬さの二面が必要。
足のアーチには、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つがある。
・予防運動
足の親指と小指は床につけ、他の3本の指だけ上げる(大人でも足のむくみや外反母趾の予防になる)。
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ショートフット―親指をつけたまま、土踏まずを上げる。
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③腰椎分離症
多くは身体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎部分に亀裂が入って起こる。
「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎をそらしたり回したりすることで起こる。一般の人では5%程度分離症の人がいるが、スポーツ選手では30~40%の人が分離症になっている。分離症は10歳代で起こるが、それが原因となりその後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合がある。
・腰部の安定性と股関節の柔軟性
腰椎への負担を軽減するために体幹や股関節周囲筋の柔軟性を保ち可動域を確保することや体幹筋力の強化がポイントとなる。
特に、股関節の可動域制限は、腰椎でその動作を代償(股関節の伸展制限を腰椎の後屈で代償してしまうなど)し、その負担が分離症発生の一因となるため、注意が必要。
・体幹が安定する呼吸法
鼻から吸って、お腹を膨らませたままで吐く。
・予防運動(股関節周りをやわらかくする)
片足を片方の足に乗せ、そのままお辞儀して足首を掴む。掴める人は、手のひらを床につく。これは、静的ストレッチなので、下に下がったところで30秒。それを4セット行う。猫背にならないことが重要。
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バランスボールがあれば、うつぶせに乗ると腰のストレッチになる。
3.後年期
・後年期とは
ここでは、65歳以上の年齢の方を指している。
2020年の高齢社会白書で65歳以上の介護が必要になった主な原因をみると・・
脳血管障害、認知症、サルコペニア・フレイル、骨折・転倒、関節疾患があげられる。
・サルコペニア
サルコペニアとは、筋肉(sarx)と喪失(penia)という言葉を組み合わせて作られた造語。筋肉量の減少と筋力の低下を特徴とし、身体的な障害や機能低下を起こすと言われている。また、転倒や骨折といったことにも繋がり、健康寿命が短くなってしまう。
サルコペアなどでは、低栄養や痩せが要因となっている。肥満も悪影響をおよぼす。
それだけ、筋肉量と体重管理は大切!
・診断
片足立ちで15秒立てるか。
指で輪っかを作り、ふくらはぎの一番太いところを掴み、隙間が空けば、症状の疑いあり。
・ロイシン(必須アミノ酸のひとつで、体内で合成できないため日々の食事で摂取する必要がある)を多く含む食品。
牛肉・赤身1500mg/100g、牛肉・レバー1800mg/100g、若鳥もも皮なし1800mg/100gなど。
・ビタミンD
ビタミンDが足りないと、腸管でのカルシウムの吸収が低下する。血中のカルシウム濃度も低下し、骨粗鬆症になってしまう。さらにビタミンDは、筋肉中のタンパク質の合成を促進させる働きもある。高齢者にはビタミンD不足の方が多い。
ビタミンDを多く含むきのこ類⇒乾燥アラゲキクラゲ130μg/100g、乾燥マイタケ20μg/100g。
ビタミンDを多く含む魚介類⇒かつおの塩辛120μg/100g、あんこう肝110μg/100g。
※口にするものについて気を使うと身体は変っていく!

 この後、股関節の動かし方と足の体操をやりました。
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 こうして3回の講座は終了。今回は、受講者が子どもさんから大人まで幅広かったので、講師の高岡さんも話をするのが難しかったと思いますが、両者に向けてバランスよく話して頂きました。ありがとうございます。身体の使い方について大変参考になるお話でした。
 最後に受講者から寄せられたコメントをご紹介します。
「ストレッチや栄養までいろいろ知れて良かったです。自分の体をもっと考えて、運動と食で健康に気を付けたいと思いました。楽しく勉強できました。ありがとうございました」
「成長期と後年期では改善法は異なるが、ストレッチのやり方は変らないので大変参考になった。足指の重要性、体重のかけ方、正しい前屈のやり方が理解でき有意義な時間であった」
「体の使い方や姿勢に気を付けるようになったことが今回学べてよかったです。孫が来た時に教えて頂いた点を気にして見ていこうと思いました。ありがとうございました」
「後年期になり注意する点がよく分かりました。日常的に少しの時間でも意識してストレッチを取り入れて行きたいと思います。食の大切も」
「大変聞きやすく分かりやすいお話で大変良かった!!足首のやわらかさや大事さに気付いた事、足指やかがとのストレッチの仕方がわかり気をつけ、意識して生活していきたいと思いました。プロの方の話は貴重でした。多くの人に聞いてもらいたいと思いました」





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